地域の美と健康が動き出した【第37回】(福岡県)
「いつまでも若々しく美しくありたいという人類の根源的欲求に応え、社会に貢献する」ことを理念として創業した三省製薬(株)。今年60周年を迎えた同社は、肌や髪の悩みに応えるための美容成分開発に取り組み、主に自然界の素材から高い効果と確かな安全性を両立した成分をこれまでに130種類以上開発してきました。
同社は60周年を目前にした昨年4月、強みであるエイジングケア成分や、オリジナル成分処方のOEM製品供給を通して培った製品開発力を活かして、竹幹表皮エキスを配合したエイジングケア化粧品シリーズ「yameKAGUYA」を発表しました。「yameKAGUYA」に配合している竹幹表皮エキスは、竹1本からわずか300gほどしか採取できない、幹のごく薄い表皮だけを削り出し、独自の製法で抽出した希少な美白成分です。
原料となる竹は、タケノコ生産日本一と言われる福岡県八女市、なかでも、無農薬栽培で管理された竹林の孟宗竹(モウソウチク)を使用しており、表皮を採取した後の竹は粉砕して処理、肥料として竹林に返すことで、リサイクルに取り組んでいます。これらによって、竹林の価値を高め、全国の各自治体が抱える放置竹林問題やその影響による山地保水力低下、水害等へ、事業として対応するとともに、売上の一部は森林保存、竹林整備事業へ寄付されます。
このようにして「yameKAGUYA」は、フェイスウォッシュ、フェイシャルエッセンス(乳液タイプの美容液)、ボディソープ、ボディローション(ジェル状)の4ラインナップ、こだわりの天然成分をたっぷり配合した、無香料・無着色、パラベン・シリコン・合成酸化防止剤(BHT)フリーのエイジングケア化粧品に仕上がりました。中小機構は前身の酒粕化粧品事業から支援を行っており、今後も社会貢献性の高い同社の事業を支援したいと思います。
(独)中小機構 九州本部 チーフアドバイザー 篠田 昌人
総合食品卸売業に勤務、食品小売・卸売業のMD・IT化支援に携わる。独立後、中小企業診断士として地域食品製造業の経営を支援するとともに、地域商社とシンクタンクを設立、市場調査・商品開発から販路開拓まで、一貫した経営コンサルティングを行っている。