連載

漢方植物と北アルプス水の贈り物 ~くすりのまちの自然派化粧品~

地域の美と健康が動き出した【第34回】(富山県)

トウキ(当帰)の葉

今回ご紹介する㈱やぶうち商会(飯倉清博代表取締役/富山県富山市)は、昭和37年に塗料店として創業しました。平成10年から環境事業を開始。「化学技術を使った企業だからこそ、地域の健康のため、子孫のため、地球環境のために自然由来にこだわった商品を提供したい」という先代の志を引き継ぎ、平成23年からコールドプロセス製法を使った自然派化粧品の製造販売をはじめました。令和2年には、地域産業資源であるトウキ葉を活用した化粧品の開発販売事業が「地域産業資源活用事業計画」として経済産業省から認定を受けました。

富山はくすりのまちと言われ、医薬品産業が盛んで、北アルプス連峰の豊富な水資源と寒暖の程良さもあり、漢方薬の原料である「当帰(トウキ)」が生産されています。トウキは漢方薬として富山の薬には欠かせない原料であり、古くから栽培されてきましたが、近年は安価な外国産の漢方薬原料が輸入され、生産が減ってきています。

「トウキ葉」エキス化粧品シリーズ

漢方薬の原料として欠かせないトウキですが、それは「根っこ」のみであり、「葉」の多くは廃棄されていました。近年、トウキの「葉」にも「根っこ」同様に、ビタミンEやフタライド類およびフロクマリン類を豊富に含んで血行促進効果があることがわかったのです。

そこで、「貴重な国産トウキの破棄されてきた葉を有効利用し、付加価値をつけた商品を企画発売することで農家を支援したい」という考えがうまれ、富山県産薬用植物生産農家と連携、開発に至りました。

今後も、毎日使う物、体内に吸収されるものだからこそ良いものを使用して欲しいと願い、合成界面活性剤や鉱物油等のケミカル原料を使用せず、自然の恵みから作られたものでスキンケア商品を企画していきます。

(独)中小機構 北陸本部チーフアドバイザー 村本睦子

ITコーディネイター。中小企業の新事業展開、知財戦略、IT経営革新などの支援に携わる。

 

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