地域の美と健康が動き出した【第33回】(奈良県)
(株)マックス(大阪府八尾市:大野 範子代表取締役社長)は、明治38年創業の関西を地盤とする化粧品メーカーです。平成9年には奈良工場(奈良県橿原市)を新設し今年は創業116周年を迎えました。戦前から“小学校の手洗い石鹸”としてお馴染みのレモン石鹸を製造販売し、その後、時代やライフスタイルの変化に合わせて、液体洗浄剤、入浴剤、スキンケア商品へと幅を広げてきています。
平成29年から会社が今後進むべき道として地域との共存共栄が不可欠であると考え、工場がある奈良県において地域貢献の一助となるような新規事業に着手しました。
その際に着目したのが、「“日本の化粧”の歴史を紐解くと、飛鳥・奈良時代に大陸とのつながりで化粧品の利用が盛んになり、現在の化粧文化の基盤が築かれたこと。」です。また、奈良県には、今でも脈々と引き継がれた豊かな自然が存在しています。そこで、奈良県の農産物(ブランド食品)を知っていただく機会を創出すると共に、“やまと時代の歴史的情緒”も感じていただけるよう、奈良県の農産物を配合したコスメの開発に着手しました。コンセプトは、「やまとの恵みで、女性をかわいく、美しく」です。
更に、抗酸化性の高い柿の葉を配合し非動物性成分とすることで、世界的潮流であるビーガン仕様のコスメとなり、奈良県でも拡大しているインバウンド需要にも対応できると考えました。
結果誕生したのが“やまとCOSMETIC ”のシリーズです。現在、柿の葉配合洗顔石けん、ごろごろ水配合美容液、米発酵液配合美容マスク、酒粕配合スキンケアクリームの4種類の商品を発売しています。今後も新商品を拡充し、様々な角度から奈良県の観光活性の盛り上げを目指しています。
(独)中小機構 近畿
チーフアドバイザー 樽谷昌彦
地域金融機関に長年勤務、取引先企業に対して各種施策の活用を支援し、現在は、地域資源を活用した売れるものづくりの支援に従事している。