「世界の工場」と称される中国の経済規模は、日本の約3倍。スピーディかつダイナミックに変革が進むビジネス展開に世界中が注目している。本特集は、両国間の情報に精通する健康食品原料サプライヤーに着目。グローバルマーケットを見据えた各社の戦略「Chinese strategy」を紹介する。
■垂直分業から水平分業に転換する貿易構造
日中国交正常化47周年、日中平和友好条約締結42周年となる今年、国内では、地方自治体や企業、民間団体など官民で越境EC商談会や観光振興、農業支援、高齢者産業交流など、日中間の幅広い交流が催されている。中国は、ロシア、カナダに次ぐ世界第3 位の広大な国面積と、13億8,600万人の圧倒的な国人口を背景に、製造業が盛んなことから「世界の工場」と称される。近年の経済成長は著しく、日本においても、訪日外国人の上位を占め、インバウンドや越境EC、「独身の日」など、さまざまなシーンでビジネスチャンスを創出。その経済規模は、スピーディかつダイナミックな変革で、日本の3 倍にまで拡大しており、貿易構造も垂直分業から水平分業に転換している。
■年々強化される食品の品質管理
健康産業においては、世界最大の健食素材発信基地として知られ、漢方で用いられるウコンや冬虫夏草、田七人参、蜂の子などのほか、ビタミンCやグルコサミン、コラーゲン、CoQ10、HMB、シトルリン、アルギニンなどのメジャー素材を世界各国に供給。食品は約200ヵ国に輸出されており、日本はその貿易額のトップ10に入る。経済成長に伴い、食品生産が種類・数量ともに拡大傾向にある中国では、政府主導で食品の品質・安全監視管理を年々強化している。中国の食品生産加工企業約45万社(中華人民共和国在日本大使館「白書:中国の食品の品質と安全性」)は、日本の食品製造企業5万2,450社(経産省「商工実態基本調査」)の約9 倍で、年間売上高の上位100社で全体の約3 割を占める。
日本では、食品となると何かと“チャイナフリー”で一括りにされがちだが、経済成長に伴い、中国国内においても、従来以上に食品の安心・安全対策を強化している。中国政府では、地域間の相違や、都市・農村の相違による10人未満の小企業・小工場約35万3,000社を食品品質・安全監視管理上の課題と位置付けている。世界各国から集まる食品加工技術の開発や応用も急速に進み、全体的な品質水準は着実に高まっている。
本記事は「健康産業新聞 1667号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら
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