コスモプロフアジア2日目の11 月14 日、14時30分から行われた日本の化粧品市場セミナーの中で、アットコスメ取締役山田メユミ氏と弊紙編集長江渕敦によるセミナー、対談が行われた。当日は日本市場の現状や進出のヒントを掴もうと、アジアを中心にヨーロッパなどから多数の来場者が詰めかけた。
競争激化する化粧品市場
セミナーでは、日本の化粧品市場の現状が紹介された。
美容・健康分野への異業種からの参入は年々増加している。特に、化粧品や美容サプリ、大の規模に拡大。名実ともにアジア最大の美の祭典として開催した。 出展社は22 のパビリオンを含み43 カ国から過去最大2,168 社(昨年比約10%アップ)が集結、入場者も昨年の55,000 人を大きく上回った(主ドリンクといった美容分野への参入が多い。
化粧品参入に際し、企業は何らかの自社の強みを生かそうと考える。食品や医薬品、酒造メーカーは独自「原料素材」を。ドラッグストアや大手家電の量販などは「チャネル」を。健康食品通販やアパレルなどの場合は、すでに獲得している「顧客」。他にも、オーガニックやドクターズコスメといった日本未上陸の「輸入化粧品」での参入もある。
しかし、競争激化は業界内にも大きな要因があるようだ。それは、原料素材メーカーが処方提案し、受託メーカーや、小売業がPBを作り、化粧品大手が製造受託するという、従来の常識では考えられない業態の枠を超えた展開が始まったこと。異業種に、メーカー、受託、小売が入り乱れての下剋上の様相を呈してきた。
参入に必要な事は
この市場に参入するには何が必要なのか。山田氏と江渕編集長の対談では、その点について触れた。まず典型的な日本人女性の購買行動について山田氏は、「世代による差は縮まっている。自分の好みで自由にファッションやメイクを楽しんでいる。チャネルとして強いのはドラッグストア」と話した。
またユーザーが海外コスメに期待することは、「クチコミから即効性や非日常感、もしくは自分へのごほうびのような感覚を求めて選ばれていることが多いことがわかる」(山田氏)。海外ブランドが日本の市場に参入する際の注意点としては、品質に対しあたりまえに求めているレベルが高いので、そこに細心の注意を払う必要があると指摘。
もし自分自身が日本市場に参入するとしたらどこを狙い、どんな仕掛けをするかという質問には、国内の異業種の参入が盛んであるとしたうえで、「自分なら素材、チャネルなど自社の強みを活かして、もしくはそれを持っている日本企業とコラボレーションして、事業をスタートする。物があふれていて、大ヒットを狙うのは難しい世の中だが、チャンスは無限にあると思う」とした。
最後に「日本市場は、成熟しているものの、まだまだ活気がある。超高齢化を迎え、世界に先駆けてシニア中心の市場を体験する。その際に、エイジングケア化粧品やメンズコスメ、ヘアケア、ネイルなどが今後どのようになっていくか注目してほしい」(江渕)とまとめた。