エステティシャン五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2007 第6回★
私の住む西海岸は全米でも天然温泉が一番多い地域です。コロラド山脈、シエラ山脈やサンバラディーノ山脈の地下深く、絶えず活動しているマグマによって、雨水等による地下水が内部の鉱石らと共に温められてミネラルを豊富に含んだ温泉をつくります。昔、原住民であったインディアン達はこれらの温泉を神の水と讃えて、数々の病を治す為に使いました。
その後アメリカ大陸に入植したヨーロッパ人たちは、それらを保養地として一般開放し、温泉を囲んで宿泊施設やスパを造り、どんどん開発が繰り返され現代に至りました。車社会である西海岸に住み、日ごろの交通渋滞でストレスを抱える多くの人々。そんな私たちがちょっと日帰りで温泉に行き、マッサージやフェイシャルをうけてリフレッシュすることを、バケーションをもじった言葉でスパ デイケーションと呼びます。
今回はその中の1つで、深い緑に囲まれた、スパ施設が充実しているグレンアイビー温泉&スパについて紹介しようと思います。
www.glenivy.com
自然に溢れた広大な敷地の屋外には、木の香が漂う湯船の硫黄温泉、ソルトウオーター温泉、アルカリ温泉、フロートベッドでプカプカ浮かびながらリラックスできる巨大温泉プール、西海岸ではここだけしか採取できないテメスカル渓谷の自然な赤土を使用した泥風呂など、全部で16種類の温泉が楽しめます。そして敷地屋内では、ドライサウナやスチームサウナ、そしてシャワールームが完備されており、タオルは何枚でも無料で使い放題。お腹がすけば野菜をメインにした健康志向のレストラン、ドリンクバーなどがあります。アルコールは一切おかず、18歳未満の入場を禁ずるこの温泉では、その影響もあって週末のピーク時でも比較的静かな雰囲気を楽しめます。
入場料は平日が$35、金、土、日の週末は$48で、スパのトリートメント以外はすべて料金に含まれています。そして50 室からなるマッサージ、フェイシャル、ボデイケアのトリートメントルームと8箇所のマニュキュア専用テーブルがあるスパは、週末の事前予約で殆ど埋まってしまう程の賑わい。$25-$155の料金価格で設定された、スパのトリートメントメニューにはこの温泉特有である自然のクレイやミネラルをメインにしたものが多く、わざわざ遠くから来る客も多いそうです。そして、ここで一番人気があるメニューは“グロッド”と名づけられた地下に人口の洞窟を作り、ミネラル分が非常に豊富な泥〔クレイ〕を利用したスキン・デトックストリートメント($25~)です。
グレンアイビー温泉は朝の9時半から夕方6時まで週7日の営業で、まったくの日帰り施設なので宿泊が必要な客は周辺のホテルで部屋を取る必要があります。しかし、他の宿泊施設をもつ温泉に負けないほど利用客が多く、それは上記にも述べたように入場の年齢制限があり、大人向けの癒しを追及したからではないかと思います。家族で仲良く行く温泉も良いけれど、たまの休みに子供を主人に任せ、友人と
連れ立っていくグレンアイビー温泉スパは、私にとってもお手軽で優雅にくつろげる癒しのリトリートセンターです。
五十嵐ゆう子 米国カリファルニア州とネバダ州公認の
エステティシャンライセンスを所持。クリニカルエステティ
シャン(医療エステ)としての経験を積んだ後、現在は両州
で抗酸化に優れた自然成分を主体としたホリステックスキン
ケアを実践。yukoi@earthlink.net
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