顔そり技術で勝負
売上げは前年比6割増
「千円カット」をウリにする低価格チェーンの登場で価格破壊の時代に突入している理容業界。店舗数が増加傾向にある美容室に比べ、理容室は店舗数が激減状態にあり、生き残りをかけ様々な取り組みが進められている。こうした中、理容師だけの特権でもある「顔そり」に特化した女性専用のシェービングサロンが好調だ。理容業界においての新たなビジネスモデルとしても注目を集めている。前年比6割増と急成長を遂げる話題の店舗を訪問した。
都内で14の理美容室を展開する㈱スカイ(東京都墨田区)は、99年から女性専用シェービングサロン「ラヴィーチ」を展開している。同店のテーマは、「女性の床屋」。床屋といっても洗髪やカットは行わない。あえて顔そりとアフターケアに的を絞る。錦糸町と有楽町にある2店舗とも、同社が運営する理容室が隣接。簡素なつくりの理容室に対し、ラヴィーチはパステル調を基調とした壁紙を使用し、スタッフは全員女性、完全個室と、まるでエステティックサロンのようだ。
同社営業企画の吉田昌央氏は「女性の間で顔そりのニーズは高いが、顔そり=床屋というイメージが強く、男性主体の理容室は入りづらいというニーズが多かった。こうした状況を踏まえ、女性向けのサービスに徹底したのがラヴィーチ」と説明する。