近年、米国のウエルネス業界では“Clean”という単語を頻繁に用いるようになりました。日本語では、清潔な、きれいな、と訳されますが、業界では人体や環境に良くない人工的な添加物や素材を一切使用しないという意味を持ちます。元々は自らの健康と環境の両方に配慮された食生活を取り入れる”Clean Eating”という発想がきっかけです。食品同様に化粧品も肌から吸収されて体に入ってきます。そして使用したパッケージが廃棄された後に環境を汚してしまえば、それはまわりまわって自分の健康に関わってくるという考えの延長線上で発生した言葉が”Clean Beauty“です。
業界ではここ10年程、フレグランスフリーやグルテンフリー、パラベンフリー、BPAフリー(環境ホルモンのビスフェノールフリーAを含まない)などの表示がビューティケア商品の中に増えました。それに加えてオーガニックやナチュラル、ビーガン(動物性の原料を一切含まない)などの言葉を全てを包括し、より自然でピュアな商品をまとめてラインナップする際に”Clean Beauty”という言葉を使用することが新しい流れとなっています。
米国のファッションと美容の専門マガジン「Harper’s BAAR」が、年齢、人種、民族にわたった1,000人の女性を対象に調査した結果、60%が多少価格が高くてもClean Beautyな商品を日々の美容ルーティンに取り入れるようにしていると返答しています。ハリウッド女優の中でも美意識が高いとされる女優のグウィネス・パルトロウも、自らのみならず環境も美しく変える”Beauty with a Purpose=Clean Beauty”を活発的に推進しており、このムーブメントは業界でも拡大しています。ナチュラル&オーガニックの専門店舗のみならず、AmazonやThrive Marketなどのオンラインでも”Clean Beauty”とくくったセクションを作り、顧客が商品を選びやすくしています。
パンデミックが続く中、化粧品の購入も店舗ではなくオンラインで口コミ情報を読んでから決定する機会が増えています。そういった風潮からも意識に働きかける”Clean Beauty”商品が今後さらに成長するのではと予測します。
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