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「保湿」、「美白」、「アンチエイジング」は根強いニーズ

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ビューティサイエンティスト 岡部美代治氏

 岡部美代治氏は、化粧品会社で、安全性と有効性、処方、機能評価という作り手側と、肌診断、カウンセリング、アドバイスといった市場での評価側という両方の経験から「市場の情報は混乱している、正しい化粧品と皮膚の情報を発信していかなければならない」と語る。


■よく日本の消費者の化粧品への知識レベルが高いといわれますが?
 
 化粧品への関心が旺盛で沢山の情報を抱え、いろいろな製品を試す、そんなヘビーユーザーは確かにいますが、せいぜい全体の1 割程度でしょう。その他の大半の方は、その情報が正しいのかどうかも分からない人たち。最初に得た情報がベースになっていて、その後の情報に対して考える力もない。いわゆるメディアリテラシーが欠けている層なのだと思います。つまり持っている情報量は豊富でも、どれが正しくて正しくないのか、それさえ判断しようとしない人が多いのではないでしょうか。
 しかし、多くのメーカーは、むしろそこをマーケットにして広告宣伝を投下しビジネス展開しているというわけです。そして、そのことがまた、正しい美容、化粧品情報が一層伝わりにくい現状を創り出しているのです。
■最近の化粧品市場について
 この10年の市場の変化は激しいですね。ブームのサイクルがとにかく短い。CoQ10がその典型で、メディアでとり上げられると、業界の皆がそちらに動きメディアもそこに行く。多くの消費者は購買意欲を持つが、すぐ飽きてしまう。その繰り返しのように思います。
 そんな中で、変らず支持されてきたのは「保湿」、「アンチエイジング」、「美白」です。この3つのテーマがスタンダードとして着実に伸びています。それが日本の消費者が化粧品に求めていることなのです。
「ライン買い」が減少しているそうですね
 何故ラインが良いのかということをメーカーが論理的に消費者へ伝えられているかどうかでしょう。単品買いとライン買いは料理で言えばアラカルトとコース料理の違いです。コースが良いのには理由があるはず。メーカーにとっては、ロイヤリティの高い顧客をつくれるメリットは大きいのですから。その物作りへのこだわりを上手く伝えていかなければなりません。
■ヒットの条件とは?
■少子高齢化の市場に向けて

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岡部 美代治氏
 ㈱小林コーセーでは研究所に、同属の㈱アルビオン本社では商品開発等に所属。3年前から美容コンサルタントとして独立、商品開発を中心に活動している。
「ビューティサイエンスの庭」
http://www.kt.rim.or.jp/~miyoharu/

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