1月20日に厳戒態勢の中でバイデン新大統領の就任式を迎えた米国では、その直後から新政権の期待感を反映して株価が著しく上昇しました。バイデン大統領が打ち出す政策には、手厚い社会保障やセーフティーネット、パリ協定への復帰をはじめとした環境改善など色々ありますが、それよりも先ず成し遂げなければいけないのは、迅速なワクチン接種の普及とコロナの収束によって『社会的機能の維持を達成させる事』です。とにかく感染を抑えこまないことには国民の支持も得られず先へは進めないでしょう。
仮にその他の政策がスムーズに進まず、さほど目立った結果が出なかったとしても、感染者さえ抑え込めばバイデン大統領は歴史に名を残すこととなるでしょうが、もし就任後3か月たっても大きな成果がなければ即座に失脚するかもしれず、おそらくそれは本人が一番わかっているのではと想像します。
とにかくパンデミックの収束を迎えるまでの暫くの間は、コロナ禍で変化した消費者の行動や意識を小売業者は敏感に察知し、共感を得る商品、サービスを提供していくことが重要になるでしょう。そして先月も記載したように、米国ではヘルシー&ウエルネスの商品が昨年から前例のない販売を維持しており、食品を扱う小売業の店舗では健康維持と免疫強化をマーチャンダイジングに反映しています。
米国は昨秋から食品小売業やドラッグストアチェーンらが率先して薬剤師やファーマシー・テクニシャンの雇用を拡大しています。ちなみにファーマシー・テクニシャンとは薬剤師をサポートする調剤技師のことを指し、日本の3倍以上の処方箋数をこなす大手の民間薬局では、薬剤師1名に対して通常2~3名の調剤技師がサポートします。米国の薬剤師は注射が出来る訓練を受けているので、インフルエンザのワクチンもドラッグストアやドラッグストアを完備するスーパーマーケットで受ける事は一般的です。
今後は店舗でワクチン接種にあわせWellness week やWellness dayなどのキーワードで健康関連の食品やグッズのセールを行う店舗が出現すると予測されます。
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