(株)富士経済は17日、機能性志向食品の国内市場調査を発表した。機能性志向食品の2020年の市場規模は9,483億円(0.6%増)で微増となった。訪日客の減少によるインバウンド需要は落ち込んだが、健康意識の高まりから生活習慣病予防や免疫賦活作用を訴求する製品の需要が伸びた。
機能性志向食品は新型コロナウイルス感染症の流行を受け、乳酸菌関連やビタミン・ミネラルなど免疫作用に関わる成分や訴求への注目が上昇。整腸効果、免疫賦活作用、マルチバランス、生活習慣病予防などを中心に需要が伸びた。また、運動不足解消ニーズを捉えたスポーツサポートが好調で、前年に続き拡大すると予想している。
免疫賦活作用では、特に乳酸菌類、プロポリス、エキナセアなどが大幅に伸びた。また、昨年11月に「iMUSE プラズマ乳酸菌 サプリメント」(キリンホールディングス)が、12月に「免疫サポート」(ファンケル)が発売されるなど、免疫機能に関するヘルスクレームで届出が受理された機能性表示食品が発売。今後さらに市場の拡大に寄与するとみられる。
生活習慣病予防では、中性脂肪値・コレステロール値改善訴求アイテムは大手を中心に脂肪対策商品の引き合いが強まり、前年を上回るとみている。また血糖値改善では、高血糖などでコロナウイルス感染症が重症化する恐れがあるとの報道に加え、“コロナ太り”ニーズもあり、193憶円(前年比15.6%増)を見込む。
さらにスポーツサポート市場では、外出自粛により、自宅で運動を行う“家トレ”に励む人が急増し需要が増加。さらに政府が健康寿命の延伸にスポーツを推進していることから、長期的にスポーツ人口が増加するとみられ、今後も市場の拡大が続くと予測している。