江戸時代に広がった伝統の健康法「養生」は自身の心身と向き合い自分を変えていくこと。 現代人の不規則で、自然欠乏の暮らしや、過剰なストレス、偏った栄養、運動・睡眠不足 による不調や悩みを無理のないように自身で修正し予防していくことが重要だ。温活・腸活・ 眠活・骨活・筋活の 5 活はその重要な手がかりだ。まさに「現代版・養生」のひとつと言える。
【温活】多彩なアプローチで冷え対策
多くの女性が悩みを抱える “冷え”。 30 ~ 50 代女性の約 7 割が「自身が冷 え性だと自覚」しており、20 代男性でも およそ 5 割が冷え性を自覚しているという 調査結果もある。また体温の約 4 割は筋 肉で作られるといわれており、筋肉量の 低下が “冷え” で悩む人の増加につな がっているとみられる。 売れ行きがもっとも伸びる秋・冬の展 開はもちろん、年間を通して “温活” の 需要はますます高まっている。体を温め ることで女性ホルモンの正常な分泌を促 すことから、女性の健康課題を解決する 「フェムケア」とあわせて提案する商材やサービスも増えた。
昨今のサウナブームも相まって、ホー ムサウナやサウナ周辺商材の新商品が続々上市されている。Well-beauty Style 事務局が行ったアンケート調査では、健康のために利用しているサービスで「温 浴・サウナ」は「フィットネス・スポーツジム」に次いで 2 位だった。また今後取 り入れたいサービスとして「ホットヨガ」や 「よもぎ蒸し」「温泉療法」などが挙げら れ、温活の人気の高さが伺えた。また奈良県の薬草や漢方からアプロー チする「ウェルネスツーリズム」、温泉の泉質や地域資源を活 用した「新・湯治」など、古くから受け継がれてきた日本の “ウ エルネス” に改めて注目する動きも出て きている。
企業の垣根を超える睡眠ビジネス
昨年 12 月に厚生労働省が「健康づく りのための睡眠ガイド 2023」を策定し、 年代別の適正な睡眠時間として、成人 で 6 時間以上、小学生で 9 ~ 12 時間 以上、中高生で8 ~ 10時間以上を推 奨するとの発表があった。また理想の睡 眠時間と実際の睡眠時間の乖離が大きく なるほど、うつ病や不安障害のリスクが 高くなる傾向がみられ、理想より1 時間不足で20%未満、2 時間で27.7%、3時間で37.1%とリスクの割合が上昇する との調査もある。(2023 年版「過労死等 防止対策白書」)
また睡眠業界を横断する企業・団体で設立された(一社)睡眠ヘルスケア協議会(昨年 11 月「睡眠サービスコン ソーシアム™」から改称)による「睡眠サービス事業者向けの自主ガイドライン」も策定され、安心・安全な睡眠サービス の普及を目指す。また睡眠に携わる企業 と個人をつなぐコミュニティ、ZAKONE(1月9日 時点 参加企業 102 社)には、NTT 東日本やタカラトミー、テレビ東京、長谷 川グループ、東横イン、森ビル、JTB といっ た業種の異なる多様な企業が参画し、企業の垣根を超えた睡眠事業の取り組 みを実施している。
特に健康経営の分野で従業員の睡眠 の質改善に取り組む動きが加速してい る。スマートフォンアプリやウェアラブル デバイスの活用することで、自分の睡眠状態を可視化、分析することで生産性の向上やメンタルリスクの改善にアプローチしている。
DIET&BEAUTY新春号抜粋。記事の続きは「読者登録」で読むことができます! ⇒こちらから