【特集:酸素カプセル】
酸素カプセルは大ブームから5 年が経ち、当時と比べ耐久性や安全性、機能性は格段に向上した。一時のブームが去った現在では、集客ツールではなく施設に付加価値を与える営業支援ツールとして役割が変化しつつある。
●機能の充実はひと段落
酸素カプセルは、気圧を高めたカプセル内に数十分入る健康法。カプセルは、特殊な布で作られたソフトタイプと、金属、樹脂製のハードタイプがある。古くは2002 年W 杯のベッカム、日ハムの斉藤祐樹が2006 年の甲子園で活躍した際に酸素カプセルを使っていたことで話題を集めた。一時は大ブームになり参入メーカーが急増。その後は各社が機能の充実を競った。ブームから5 年が経ち、入れ替え需要も出始めている。
この間、耳抜き支援システムやエアコン、TV・音楽鑑賞など快適性を高める取り組みも進んだが、このような機能の充実は行き着くところまでいったという見方が強い。
●集客目的だけでは苦戦
酸素カプセルは、甲子園やオリンピックなどの大きなスポーツイベントのたびに活躍した選手の“秘密兵器”としてメディアに取り上げられる。ブームの時は魅力的な集客ツールとなるが、日常的にはその役割は果たさない。
酸素カプセルは、安くなったといっても、ソフトタイプで60~200 万円、ハードタイプになると100 万円〜400 万円と高価格の機器。導入施設の最大の関心事は、導入した以上、営業支援ツールとしてどう活用できるかだ。しかし、酸素カプセルを活用し、確実に売り上げを上げている施設は存在する。
●若い女性の潜在需要NO1
実は、酸素カプセルは若い女性の体験してみたいメニューの第一位だ。リクルートではF1 層(20~34 歳女性)の美容サロンの利用状況をまとめた「美容センサス2010 下期」で、リラクゼーションサロンの利用意向を聞い
た。岩盤浴、フットケア、ゲルマ温浴など19 種類のメニューについて経験者の割合と利用意向者(今後利用したい気持ち)の差が最も大きかったのが酸素カプセルだった。
経験した人が約5%、それに比べて今後利用したいと答えた人は15%。この差が約10ポイントあり、全メニューの中で一番大きかった。これは、消費者の体験してみたいというニーズがあるにも関わらず、機会損失と考えられる。いままでは導入が難しいとされてきた、エステティックサロンなどの女性向け施設でもビジネスチャンスがありそうだ。