DIET&BEAUTY

サウナの新規開業ラッシュが続いている。特別感を漂わせるプライベートサウナでは、 これまでにないデザインやコンセプトの施設が登場し、サウナのイメージが大きく変わりつ つある。さらなる市場拡大には、未利用者層へのタッチポイントを増やすこと、そして女性客 を如何に取り込むかだ。

サウナが新規客開拓のフックに

サウナを採り入れ、新規顧客の獲得につなげる新しい業態が出てきている。大阪の「サウナ＆コインランドリー ネバ― エンディング」は、コインランドリーの待ち時間を利用して楽しめるサウナだ。創 業70年のクリーニング店が運営しており、 サウナ後にクリーニング技術でふかふか に仕上げたタオルを用意する。洗濯終了後、スタッフが洗濯物を取り出し、預かりロッカーに保管するため、時間を気にすることなく、安心してサウナを楽しむこと ができる。

寺院とサウナを組み合わせた “寺サウナ” に取り組む寺院も出てきた。境内にサウナを設置し、禅とサウナを組み合わせることで、心身を “ととのえる” 体験を提供し、新たな参拝者を呼び込むきっかけにしている。愛知県安城市の安正寺 では、若者の寺離れを防ぐ一環として、 自身もサウナ好きという孫の考案で、境 内にテントサウナやドラム缶による水風呂 を設置。サウナの利用料は本堂の修繕 費に充てるという。

またランニングステーションとサウナを 組み合わせたのが東京・日本橋にある「ととけん」だ。墨田川沿いのランニングコー スを走ったランナーたちをターゲットに、ロッ カーやシャワーブースの利用と、併設サウ ナを楽しんでもらう仕掛けになっている。

女性サウナ向けに新提案 　

これまで温浴施設の男湯にのみサウナ が設置されていることも珍しくなかったが、 いまや女性専用プライベートサウナも登場 している。女性誌にサウナ特集が組まれ、 サウナ好きを公言する女性芸能人も増え た。サウナのイメージは変わり、サウナ女子（サ女子）が広がりを見せている。女 性向けの設備が充実した都内のサウナ 施設では、「平日は男女比 7：3 だが、 休日は 6：4 まで近づく」という。だが、 全体的には、サウナ施設の利用者は圧 倒的に男性が多く、設備面でも男性用フ ロアが充実している傾向が強い。

今後、女性利用者を増やすにはどうすればいいのか。「女性がサウナを嫌が る理由の一つに、高温による髪の傷みや肌の乾燥がある」と、あるサウナ施設関係者は話す。各施設ではサウナの入り方マニュアルの作成や、オリジナルのサウナウェア、サウナハットの貸し出し、女性向けに低温高湿のスチームサウナや蒸し風呂を提案するなど、慣れない利用者の不安の払拭に取り組む。