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【連載・全3回】韓国でウェルネスとビューティーの祭典、2023チェジュ国際セラピー産業EXPO開かれる②

11月10日から13日迄、韓国チェジュ島(済州島)ソギポ市(西帰浦市)で「2023チェジュ国際セラピー産業エクスポ」が開催された。筆者はこのイベントに参加する機会を得たので本メディアをお借りしてレポートする。(著者 / 早稲田大学招聘研究員 元新潟県産業労働観光部参与 河合雅樹)


式典では、道知事、市長から政策としてこの分野の振興を今後精力的に進めていくことが述べられ、参加した議員からも政策を応援する意見が述べられた。

式典に続いて基調シンポジウムが開かれた。初めにソウル大学医科大学ナ・ジョン教授が、海水、特に塩基性地下水のアトピー性皮膚炎に対する効果の研究成果を紹介した。次に、フランスのタラソセラピー専門家マリー・シスカール博士が、フランスにおけるタラソセラピー産業の現状と今後について報告を行い、タラソセラピーが幸福感の増大や不安の解消等に役立つという仏国軍による研究成果を紹介した。続いてタイ・タマサート大学のカイソン・スンポウソン教授が、タイにおけるアンチエイジングとしてのセラピー産業の事例、特に地域社会における活動を紹介した。最後に、筆者が、日本におけるこの分野の最近のトレンドは、働く女性向けの産業をどうやって作り出していくか、という最近のメディアの傾向を紹介した。また、韓国がセラピー産業の認証制度を新たに作ろうとしていることの参考事例として、地方政府の北海道が認定するヘルシーDO政策について制度設計、民間の関わり方の点から詳しく紹介した。

分科会では、海洋、森林、農業、観光の4つのテーマに別れ、それぞれの行政、研究者、実践家から事例や研究成果が発表された。韓国政府森林庁から、山林文化休養に関する法律を制定して、山林での癒やしが免疫力を高め健康を高めることを国民に推奨していること、森林セラピーの拠点が既に韓国内に48箇所で運営され、28箇所が準備中であると報告された。ある大学の研究者は、スマホを杖のかわりにして視覚困難者が安全に歩行できる手助けをするシステムを紹介した。また農業セラピーでは、欧米や日本等先進国で、うつ病症状の軽減に農業体験が役立っている研究が紹介された。観光では、ウエルネスツーリズムが今後世界的に成長すること、韓国でも法整備が進もうとしていることが紹介された。

これらのフォーラムと並行して、会場では、セラピー産業に従事する専門家の技能認定試験が公開の形で行われた。また、高度なセラピー技術や新しいサービスを開発した若手専門家によるセラピービジネスのコンペが専門家による審査を公開して行われた。

フォーラム開会中に開かれていた展示ブースには、ソウル、釜山をはじめ韓国全土からのコスメ、健康食品、飲料、お茶、ウェルネス関連器具やITツールを使った商品やシステム、リゾート開発プロジェクト等が多数展示され、体験や試飲、名刺交換、商談があちこちで行われていた。

開催レポート③に続く

【プロフィール】河合雅樹(かわい まさき)

早稲田大学招聘研究員。2016年迄新潟県産業労働観光部参与として健康ビジネスや地域産業振興に関わった。元食品機能性地方連絡会幹事。

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