テレビで話題の素材も続々
【特集:アンチエイジング】
本格的な高齢化社会を迎え、今後も拡大が期待されるアンチエイジング市場。ライフスタイルの変化で消費者ニーズは多様化しているが、「見た目」を改善したいというニーズも顕在化してきた。アンチエイジング素材もメディアで話題になるなど盛り上がりを見せている。
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■アンチエイジングは見た目が重要
5 月末、京都で開かれた11回日本抗加齢医学会総会で、シンポジウムとして『見た目のアンチエイジング(皮膚・容貌・体型の変化と対策の現状)』(共催:見た目のアンチエイジング研究会)が開かれた。
同研究会は同学会の分科会として発足。皮膚科や形成外科が個々に議論するのではなく、「見た目」という包括的なキーワードで美容や健康、アンチエイジングを考えようというもの。
シンポジウムでは、再生未来クリニック神戸の市橋正光院長、北里大学の塩谷信幸名誉教授が座長を勤めた。また、塩谷氏が理事長を勤めるNPO 法人アンチエイジングネットワークで昨年実施した「アンチエイジングに関する意識調査」(合計3,838 人 男性 1,338 人平均42.2 歳、女性2,500人:平均40.3 歳)から、アンチエイジングは「見た目」を重要視している人が多いことが分かった。
年齢を重ねることで心配なのは、「中身(病気や心)」か「見た目」どちらかという質問について、実に女性の77%、男性の54%が「見た目」と回答。加齢により気になる部位は男女差が大きく、女性は圧倒的に「肌」が1 位。次いで「腹、髪、尻、首、目」と続いた。
男性は「髪」がダントツで、2 位「腹」、3 位「肌」だった。素材のアンチエイジング訴求や、内外美容コンセプトの商品も増えているが、女性は、肌への結果を求めていることが鮮明になったという。
■レスベラトロール、NHK 報道で話題に
アンチエイジング素材で、ここ数週間話題を集めているのが、ポリフェノールの一種「レスベラトロール」だ。植物が紫外線などの外部ストレスを受けた際に生まれ、ブドウの皮、新芽に多く含まれる。
きっかけは6 月中旬の「NHKスペシャル あなたの寿命は延ばせる ~発見!長寿遺伝子~」の放送。番組内で長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」が紹介された。この遺伝子は、アメリカのレオナルド博士が2000 年に酵母から発見。細胞の修復やエネルギー生産などに影響を与え、生体機能の調整役として働き、寿命を延ばす働きがあるとされる。
サーチュイン遺伝子は、誰もが持っているが、普段は眠っている状態。身体が飢餓状態になると活性化するが、日常生活ではハードルが高い。レスベラトロールは、このサーチュイン遺伝子を活性化させることが分かってきたという。
もともとアメリカでは人気のサプリメントだったが、日本は一部チャネルで流通していただけだった。放送終了後には各社に問い合わせが殺到し、最終商品が品切れ状態に。原料メーカーも増産対応に追われたが、短期に終わらず継続的なヒットを期待する声は多い。
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