今年も2024 年 1 月 8 日より4 日間で13 万 5 千人以上の来場者を集め、4200以上の出展ブースを揃えた次世代の最新 家 電 と ハ イテク の 展 示 会 CES(Consumer Electronic Show)に行ってまいりました。
2024 年 CES のキーワードは “ALL ON(すべてが繋がって起動する)” でした。やはりメインとなるのは、学習機能と莫大な数のデータ集積と解析によって新しいコンテンツや答えをどんどん生み出していく生成 AI が、デジタルヘルスをはじめ様々なイノベーション開発の要になっていく様子がより実感させられる内容でした。
本年度はデジタルヘルス関連の出展が顕著で、メインのコンベンションセンターより少し離れた別館 Venetian Hotel に隣接する会場で、CES が選んだ優秀な展示物 Innovation Award 2024 でもデジタルヘルス関連の商品の多くが入選していましたし、2024 年度のキーノートスピーチではビューティ&ウエルネスを代表するフランスのメーカーで知られるロレアル社が講演していたのも印象的でした。
CES は巨大な展示会ですので、全体の流 れをつかむ 為には先にこのInnovation Award コーナーに訪れて流れを知るのが私のお薦めです。
私の寄稿では。今回と次回の 2 回にわけてヘルス&ウエルネス、そしてビューティに絞って掲載します。
Innovation Award で入賞したデジタルヘルスの中でも目立っていたのが写真の「Whispp」 でした。このアプリは様々な障害によって声を失ったり、吃音により社会生活で不自由を感じる人々に代わり、生成 AI によって合成された自然に近い音声が会話をしてくれます。特に吃音のある人の多くが囁くことで 吃音の頻度を85%も減少できることから、囁くだけでスムーズに音声を伝えることができるのも特徴です。
また「 WIMAGINE」(左写真)は、事故や障害で脳へのダメージが原因で動かせなくなってしまった四肢を、脳にチップを埋め込むアプリを活用して AI から刺激を与えることで動かせるようにするという技術にも驚かされました。
次にビューティテックで興味をひかれたのは 「LIPCURE BEAM」(右写真)という片手操作のリップケアです。デバイスを唇にあてるだけで内蔵されたセンサーが瞬時に水分状態を判断し、荒れなどの症状がある場合にキャップを外すとBeam(光線)を排出するアプリケーターがあらわれて、個々にカスタマイズされたトリートメントでコラーゲンを生成して症状の改善を促すというテクノロジーです。
またロレアル社が大々的にローンチした、AI を活用したオンラインでの肌診断アプリ「SKINGENIUS」 は、肌が老化に向かう前に自撮り写真から個々の的確なスキンケアが行える美容業界における画期的イノベーションです。