食と飲料の傾向を調査するインテリジェンス企業・Spoonshotは、28,000以上の多様な外部データソースの分析に基づいてAIが構築した『2023 年のフード・トレンド レポート』を発表しました。
①Alternative Seafood(代替シーフード)
国連の推計によると、海洋生物と魚類の90%が過剰に捕獲済、または乱獲によって深刻な絶滅の脅威にさらされていることが判明しています。需要の拡大と気候変動により魚介類の供給が制限される近い将来について、水産物を代替する食のイノベーションを起こすことは絶対に必要になってきます。しかしそれらの緊急性にもかかわらず、植物性またはビーガンを謳った水産物の発売は0.2%未満であり、多くの消費者が代替水産物の食感や風味、そして栄養価に不満があることが、カテゴリーの障害になっています。そこでプラントベースドの代替えに取り組むシーフードの種類をエビ、マグロ、サーモンに絞り、2023年度の商品開発における方向性を示しています。
②Clean Label(明確で安全性の高さを表記したラベル)
クリーンラベルの主張を求める声は次第に拡大し、プラントベースドやビーガン食を求める消費者の話題の1割以上を占めており、健康的で持続可能、そして人工的な成分を含まない自然食品に言及しています。これを受けて一部の企業では、加工を最小限に抑え、健康的認知度の高い原材料の使用を強調した新しいタイプのプラントベースド食品を率先して開発しています。また既存のブランド向けに食感や風味、外観を向上させるクリーンラベルの素材を提供する原料メーカーの数も次年度に向けて増加することが予測されます。その需要の高まりは動物由来の製品にも当てはまり、牧草飼育、抗生物質不使用、再生農業による栽培などのクリーンラベルの属性を特に強調する肉の商品増加も確認されています 。
③Mood Food(ストレスや不安を和らげる食品)
ウエルネスには身体的な側面だけでなく、精神や感情的な側面も含まれるようになり、飲料や食品にCBDやキノコの派生物を含む”Mood Food”は、リラックス、睡眠の改善、ストレス軽減などのために消費者に支持されています。機能性成分としてキノコ類が全体的に受け入れられていることからも明らかであり、その多くはアダプトジェニック(アダプトゲン)またはヌートロピックと見なされており、次年度に向けての新商品の開発が進んでいます。