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アシュワガンダが米国で主流のサプリメントとなる(Ashwagandha goes mainstream in U.S)

アーユルヴェーダ界で数千年前から使われ、そのルーツは紀元前6000千まで遡れると言われているナス科植物のハーブ、アシュワガンダが、近年に米国のウエルネス市場で急成長しています。

Nutrition Business Journal(NBJ)によれば、パンデミックがスタートした2020年に米国でのアシュワガンダの売上はいきなり50.4%も急増し、1億9800万ドル(約250億円)に達し、2021年の売上高は前年比26.7%増で2億5100万ドル(約320億円)と発表しています。しかし10年以上前の2011年には、アシュワガンダを認識していた人はほとんど無く、このハーブについて人々を教育するのに数年かかったそうで、”アシュワガンダ “という単語を正しく発音できない人たちもいました。そしてこの7、8年で、ハーバリストと呼ばれる人たちの間でその効能が知るところとなり、ある程度活用されていましたが、その動きはゆっくりでした。その中でアシュワガンダが著しい成長を見せたきっかけはパンデミックです。不安やストレス、睡眠、免疫の健康といった消費者の健康への懸念に対する「有効性」が主な理由であると述べられています。

最近は、アシュワガンダを他の有効成分と混合するだけにとどまらず、さまざまな消費者向けパッケージ商品に配合されるようになってきています。人気商品はジェニファー・ロペスを宣伝に起用したGoli Nutritionのグミで、また2021年2月にコカ・コーラ社が発売を開始したウェルネスウォーターの新シリーズ商品『スマートウォーター+』も続いて人気です。この商品には「感情を落ち着かせる瞬間を『プラス』したい」という消費者のために、アシュワガンダを含んだと謳っています。

アシュワガンダが消費者から支持される別の一因として「インドや北米の乾燥した地域で生息出来るので育成と調達が持続可能であり、植物由来の天然成分を好む消費者が増えている」ことを挙げています。アシュワガンダサプリメントの市場はまだ始まりに過ぎず、今後数年以内に2桁は成長すると予測されており、機能性食品・飲料におけるアシュワガンダの存在感が高まっていることを示唆しています。このハーブがピークを迎えるのは、あと7〜8年先だと考えられています。

五十嵐 ゆう子 Yuko Igarashi

流通ヘルス&ビューティコンサルタント
米国在住の流通専門家。グロサリー業、ドラッグストアを始めとする小売流通全体のコンサルティング&通訳を兼ねるスペシャリストとして活躍。また児童教育や美容・健康産業にも精通し、「DIET&BEAUTY」でコラム(米国の健康・美容最新事情)を15年近く掲載中。その他に日本生協連合会生活資料、イズミヤ総研などの執筆を手掛けている。

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