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公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ) 理事長 宇田川 僚一 氏
「香り」が生活の中に定着したいま、アロマ市場は製品、サービスを含め1500 億円規模に達しているとされる。日本アロマ環境協会は、アロマテラピーの健全な発展、普及を目的に設立され、現在は法人正会員250 社、個人会員5 万5 千人を擁している。4 月1 日から公益社団法人となり新たなスタートを切った同協会理事長の宇田川氏に話を聞いた。
公益社団法人化について?
環境省所管の法人許可を得て社団法人日本アロマ環境協会となったのが2005 年。その後、公益法人改革に基づき公益社団法人化を目指し3 年前から体制を整えてきました。そして昨年12 月に承認を頂き、今年4月1日より晴れて公益社団法人として新たなスタートを切りました。
定款には、「アロマ環境の保全と創造」、「アロマテラピーの健全な発展」を目的とする旨が記されています。このことで、アロマテラピーの発展が公益性の高い事業のひとつとして正式に認められたと受け止めています。これはアロマテラピー業界にとって大きな前進です。
アロマテラピー検定の受験者数は年々増えて、合格者は8歳から80歳まで全国に約26 万人います。最初は仕事にするために資格を取得する人が多かったのですが、最近は生活の中で役立てるために受験する一般の方が増えてきました。アロマテラピーへの興味は年々広がっていますが、とりわけ幼い頃から植物の香りを感じ、自然環境の大切さを学ぶことは重要です。
協会では2005 年から「香育」(こういく)と称し、小学校、中学校、高等学校に講師を派遣しアロマの教育を行っています。リピートの需要も多く恒例となっている学校もあるほどです。次は子どもの世代へ広げていきたいですね。 さらに5月19 日を「香育の日」に制定し、今年は各地でアロマの体験イベントを実施しました。
アロマのエビデンスについて?
協会では研究助成金制度を設け大学の研究をサポートしたり、テーマを決めて研究委託をし、様々なエビデンスを集めています。その上で一定の成果が出た研究については協会発行の学雑誌で発表しています。
代表的なものでは、古くは東邦大学名誉教授の鳥居鎮夫先生(故人)は、ラベンダーやジャスミンの香りの鎮静作用や興奮作用を実証し、日本におけるアロマテラピー研究の先駆者として海外でも評価を得ています。
最近では杏林大学医学部の古賀良彦教授が、柑橘系の香りは、頭の回転が速くなるP300 という脳波に影響を与え、また、鎮静作用のあるラベンダーの香りは、リラックスするとあらわれるα波に有効であるとアロマのメンタルへの効果を脳波から検証しています。今後もアロマテラピーに関するエビデンスの収集に取り組んでいくつもりです。
AEAJ の今後の展開について?
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