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世界に通用する化粧品評価へ

美と健康の仕掛け人に聞く
フランス・バイオイーシーラボラトリー 代表 ラチ・エリアン氏

 日本では昨年、化粧品の56番目の効能として「乾燥による小じわを目立たなくする」が追加された。ただ、この効能を表示するためには、所定の評価試験を行うことが条件となる。欧米と日本の化粧品の機能性表示の違いについて、フランスで評価試験事業を行うBIO-EC社のラチ代表に話を聞いた。


● BIO-EC 社の評価試験とは?
 私どもが行っている「Ex-Vivo」は、生きているヒトの皮膚を使い、化粧品や機能性食品などの肌機能への有効性を組織学的に評価する再現性の高い試験です。フランスのコスメバレーと呼ばれる、化粧品の工業地帯で10 年ほど前からこのサービスを始めました。
 
 試験に使う皮膚は、美容整形などで切除されたものを24 時間以内に特殊な培地に移植することで、12日から2週間の間は生きています。これは、化粧品や機能性食品の効果を検証するには十分な期間です。現在、私どもはロレアル、ルイ・ヴィトングループ、エスティーローダーなどの世界的なメーカーをはじめ、100社以上に対して試験サービスを提供しています。
●欧米の機能性表示の現状は
 
 消費者が化粧品に機能性を求める潮流は、世界共通だと感じています。フランスをはじめとした欧州でも、ここ
10 年間で、機能性への要求が高まっていますし、今後もこの流れは加速していくでしょう。求められる機能は、まずアンチエイジング、ほかには抗シミ、DNA の保護、保湿などが多いですね。ヨーロッパでは美白へのニーズはあまり高くなく、アジア向けの商品として開発されています。逆に「美黒」と表現すれば良いのでしょうか、肌を綺麗に黒く見せる化粧品が求められています。
 
 フランスの化粧品市場では、肌への効果を検証しなければ、製品上で機能性を表示しないというスタンスが一般的になりつつあります。ただ、これは効果を実証した資料を当局に提出しなければ発売できないということではなく、万が一資料の提出を求められた場合に備えて、事前にエビデンスを確保しておくということです。
 
 こういった試験はコストが高く、中小企業にとっては負担が大きいことは事実です。ただ、中小企業であってもデータ、エビデンスを取っていく意向は非常に強いといえます。試験方法は各企業に任されていますが、国際的な学会や学術誌などでその評価法が認められているということが条件になります。とはいっても、試験にも数種類あり、メーカー側が予算規模に応じて選べるという余地を残しているのです。
●エビデンス重視の背景は?
●日本市場について
以下、詳細は紙面でご覧下さい。
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