杉戸天然温泉 雅楽（うた）の湯
昨年の4 月11 日、「雅楽の湯」がオープンした。同館は4,000 坪の広大な敷地で自然豊かな景観が魅力。中でも240坪の露天風呂や、杉戸町産の食材を使用したビュッフェレストランは人気を博す。平均滞在時間は5 時間。1 日寛げる日帰り温泉として県外から来館者が増えている。
温泉旅行気分になる趣のある造り
同館は、東武動物公園駅から車で10分ほどの住宅地の外れに構える。杉戸町は埼玉県勤めのベッドタウンで、親子三世代で暮らす戸建住居が多い。運営は三和興産㈱。ゴルフ練習場を展開しており、温泉は2 店舗目。
同館の造りは、平屋の日本家屋で中央に庭園を設置。その周りを囲むように板張りの廊下があり、四方に浴場、岩盤浴場、休憩室、レストラン、リラクゼーションが配置される。庭園を眺めながら廊下を歩いていると人里離れた古い温泉宿に来た錯覚を抱く。「旅行気分で一日寛げる日帰り温泉を目指している」と支配人の中浜良太氏は話す。
露天風呂は、地主が所有していた天然の屋敷林を生かし、敷地は男女合わせて240 坪。11 種類の風呂を設置した。「日帰り温泉でここまで広い露天風呂はそうそうにない」（同氏）。
杉戸の魅力としてツアーコースにも
営業時間は10 時〜24 時。入館料はタオルセットと館内着のレンタル付きで平日980 円（土日祝1,080 円）。19 時以降は夜割料金となり平日780 円（同880 円）。商圏は県東部が中心。利用者の年齢層は60 代が多く男女比はほぼ同じ。大半は車で来館し、駐車場は170台収容可能。東武動物公園駅から30 分間隔でシャトルバスも運行している。
オープンしてからしばらくの間は、認知度が低く来館者数は伸び悩んだが、温泉情報サイトや専門紙に紹介され、県外からの温泉ファンの来館が増加。現在は平日500 人、土日祝900 人で、月間は約18,000 人が来館。週末は混雑で入館待ちになることもある。 課題は、客単価の向上と夜間の集客。目標の客単価は2,500 円だが現在は2,200 円。同氏は。「サービスの売上が伸びていない。レストランは夜メニューの改善。美容、健康サービスは、他にない集客力のあるものを検討していきたい」と説明。
同館は、杉戸町の活性化にも貢献。ビュッフェレストランでは、杉戸町の農家から仕入れた野菜や米を使用。地元グルメや名産を発信したりイベントに参加し杉戸町の魅力を発信。旅行会社は、同館をコースの目玉にした杉戸町を巡る企画ツアーも検討している。「町役場と連携し、今後も遠方からの集客に力を入れて行きたい。杉戸町の発展に貢献できれば我々もうれしい」と同氏は語る。
