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一般社団法人日本エステティック協会理事長 久米 健市氏
一般社団法人日本エステティック協会が今年創立40周年を迎え、このほど都内会場で記念大会が開催された。記念式典ではエステティックの歴史とともに協会の取り組みが紹介された。40周年を節目に総会では運営組織の新体制が発表された。新理事長に就任した久米健市氏に話を聞いた。
新体制になって今後の協会の運営方針は?
今後の協会の運営の方向性については、40周年記念大会で、いくつかの方針をご紹介しました。
まず、エステティシャンの資格に関することです。業界内だけでなく、一般の消費者や、これからエステティシャンを目指す人たちに、資格制度をもっと分かり易いものにすること。例えば、TOIECは誰もが聞いただけで能力のレベルをすぐにイメージできますが、産業の確立のためにはそんな資格制度になることが重要に思えます。
次に、協会員であることが消費者に安心感や信頼感を与えるプラス情報のひとつになること。つまりこれは会員メリットにも繋がっていきます。同様に、協会認定校を出たことがその後の就職や職場で良い影響をもたらすようにすること。そのことでエステティックに夢を描いて勉強して資格を持った人たちを一人でも多く業界に留めることが出来るのではないかと考えています。
また、会員の皆様との関係性においては、様々な世代の会員が寄せるニーズにも、迅速に双方向で応えていきます。最近は業界内でもネットの利用率が高まっていますから、コミュニケーションを密にするためにも今後SNSの活用も視野に入れています。また意思決定のスピードを上げるために、これまでの10の委員会、6つのプロジェクトを、8委員会体制へ刷新しました。事務手続きの簡略などにも取り組みます。
いまやエステティックのニーズが高まり、様々な場面でエステティックやスキンケアのサービスが提供されています。協会としては、エステティックサロンのみならず、美容室、病院、フィットネスクラブ、化粧品販売など様々な業態の中でのエステテティックやスキンケアにおいても、その技術レベルや提供する施術の種類に関わらず、協会が考える肌知識や衛生面、安全面での指導やサポートをしていこうと考えています。
エステティック産業の可能性についてはどのように?
米国のようにランチタイムに気軽に受けるエステティックや、ヨーロッパのように長期休養中のアイテムとしてのエステティック。また、英国のように代替療法、フランスのソシオエステティックなど。国によって合ういろいろなスタイルが有るでしょう。日本ではどういうものが馴染むのでしょうか。
私は、まずは、美を追求するエステティックとしての可能性、そして、高齢化の下、いま国が推し進める成長戦略のひとつ「健康長寿」を目指すヘルスケア分野の中にも大きな可能性があると考えています。そして、緩和ケアやリハビリといった医療現場でのサポートとしての可能性。つまり「美容分野」、「健康維持増進分野」、「医療分野」という3分野が考えられます。
多様化するニーズに応えるためにも「美と健康」をテーマに様々な組織と連携をとっていきたいと考えています。例えば、美容室は全ての女性が通う場所です。自分の美の管理を預ける美容室のスタイリストには全幅の信頼を寄せているものです。そこで提供されるエステティックには大きな可能性があると考えています。同じことは、スパやフィットネスクラブにも言えるでしょう。
また、消費者教育もこれからは重要になるでしょう。溢れる美容情報、健康情報、そして製品、サービスの中で自分に合った正しいモノをチョイスする目を養って頂くこと。そのための正しい情報をどのように発信していくかも今後考えていきたいと思います。
一般社団法人日本エステティック協会 理事長 久米健市氏
米国ワシントン州立大学経営学大学院でMBAを取得。名古屋国際学園理事、中日美容専門学校理事、NPO法人日本ネイリスト協会理事、CIDESCO国際本部理事。