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美肌素材として存在感増すセラミド

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特集:セラミド

 数ある美容素材の中で「セラミド」の存在感が増している。大手メーカーによるトクホの発売を機に、同素材への認知が飛躍的に高まるという見方が強い。保湿、バリア機能改善、美白などに有効で、バックデータが豊富なセラミドは、今後の市場拡大が期待されている。


肌の保湿に大きな役割
 セラミドは、皮膚や細胞中に含まれ、水分の保持やバリア機能の保持、アレルゲン侵入を防ぐといった重要な役割を担っている。皮膚は、表皮、真皮、皮下組織からなるが、セラミドは表皮の外側の角質層の部分に多く含まれている。
 また、加齢によって徐々に減少していくことが分かっており、スキンケアのためには、毎日補給することが理想的とされる。
 美容素材としてのセラミドは、化粧品と健康食品の両方に使える内外美容素材として人気が高い。化粧品用途では、保湿、シワ改善、シミ改善、肌荒れ改善、健康食品用途では保湿、美白、コラーゲン産生促進作用などを目的に配合される。現在、エル・エスコーポレーション、オリザ油化、一丸ファルコス、ユニチカ、日本製粉などが原料供給している。
 セラミドは、植物性と動物性があるが、食品では植物性セラミドが使われている。コメ、トウモロコシ、大豆、コンニャクなどから抽出され、有効成分はセラミドのもととなるグルコシルセラミド。経口摂取で腸に吸収されたグルコシルセラミドが角質層の水分量を増加させることが分かっている。差別化のためにこの吸収を高めたセラミドもある。
 一方化粧品では、以前は牛由来の動物性セラミドが使われていたが、BSE 問題以降は主に化学合成された合成セラミドが使われている。
 セラミドの機能性については、2008 年に北海道大学名誉教授 五十嵐靖之氏らを中心に、大学や企業の研究者らが集まり、セラミド研究会が発足。同研究会では、毎年セラミドに関する各種の機能性研究結果を発表。これまでに美肌以外にも、抗菌、免疫賦活、コレステロール吸収抑制、抗炎症などの幅広いデータがある。昨年11 月に開かれた同研究会では、「アトピー性皮膚炎の症状のバリア機能亢進による改善」などの講演が行われた。
乾燥肌対応トクホ発売に期待感
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