「美容室アンジュ(THE ANGE)」は、ヘア、ネイル、アイラッシュ、エステティックなど全身の美容提案を始め、サプリメント、美容機器も扱う。高齢者向けのウィッグ会員制度導入や、4 坪程の「メイクオーバーサロン」(印象を大きく変えるメイク、スタイル提案)展開など美容サロンの枠にはまらない新店舗をオープンさせている。
■顧客の声からメニューが出来る
「THE ANGE」は、18 年前からさいたま市で店舗を構える。利用者は、近隣住民が中心で、年齢は30 ~ 50 歳代、年上は80 歳代の女性が来店している。同店のターゲットは「美容人生を楽しんでもらえるお客様全て」で、「老若男女が気軽に入れてリラックスできる」よう、内装は木調のデザインや什器を多用し高齢者や車イスが通りやすい空間設計になっている。
東口店は、1F にヘアサロンとウィッグサロン、2F にヘアサロン、3F にエステサロンとメイクオーバーサロンが配置されており、全身の美提案とメイクオーバーを行う。顧客の声を第一に店づくりをしており10 年前から顧客満足度アンケートを実施。収集件数は4000 を超える。「常にお客様の声から会社の方向性や新しいメニューが生まれてきた」代表取締役の仲本勝三氏は話す。
■顧客一人で100 万円の売上も
スタッフは60 人。顧客が増えたため3部門(メイクオーバー、ヘア、エステティック)分業制に変更したが、方針は一人の美容師がトータルにアドバイスを行うこと。各人は分野外の知識・技術習得に熱心で、エステティック向けの技術講習会にもヘア、ネイル部門から参加する。「美容師、ネイリスト、エステティシャンの職業意識は違うが、互いの仕事の範囲を知れば相互理解が深まり知識や技術が融合する」(同氏)。また、データに強い美のスペシャリスト育成に力を入れており、DNA 分析データを元に顧客の体質に合った提案を行う。
客単価は15,000 円で、一般的な美容サロンの倍以上だ。物販比率は全体で約20%、エステティック利用客だけでみると35%を超える。ヘアケア商品以外にも、サプリメント、美容・健康機器を販売しており約30 万円の炭酸発生器の販売実績もある。「顧客は商品よりも美容師から購入することに意義を感じて頂いているようです」(同氏)という。一人の顧客売上が年間100 万円を超えることも多く、こうしたVIP 顧客の売上は全体売上の8割を占める。
■新展開続々
1 階のウィッグサロンでは、今年から高齢者向けのウィッグ会員制度を開始し本格的にサービス強化を始めた。会員はウィッグのカットやシャンプー、ウィッグに合わせたメイクアドバイスなどを無料で受けられる。「我々は、その人とウィッグに合わせたカットやカラーが出来る。強みを活かしてアンチエイジングを提案していく」(同氏)と話す。
また、昨年は新たに4 坪程の「メイクオーバーサロン ヴィアンジュ浦和コルソ店」をオープンした。同店は、アイラッシュ、ネイル、脱毛を提供。イベント前などに気軽に立ち寄れるサロンとして好評で既に、次の出店計画を準備している。