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エステティシャン五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2007 第9回★
米国では2ヵ月半に及ぶ長い夏休みが終わって9月に入ると、学生たちの新学期が始まり、小さな子供たちは10月31日に行われるハロウイーンの仮装の準備に、大人は3ヶ月以上先のクリスマスに備えてプレゼントリストを作って早速ショッピングに取り掛かります。
面白い事に私の周りでは、如何に早く買い物を済ませてしまうか競争をしているアメリカ人達がいます。ちなみに私が働くサロンのオーナーは毎年9月30日までにプレゼントの買い物を終わらせて、自慢げに語るのが楽しみの様子です。
このクリスマスギフトですが子供達へのプレゼントはさておき、両親や親戚や友人そして日ごろお世話になっている方々に感謝の気持ちで贈り物をする、日本のお歳暮と似た習慣です。日本と違うのは毎日郵便を運んでくれるメイルマンや庭師さん達にも忘れずに用意します。大きな包みにキレイなリボンをかけたプレゼントもステキですが、かさばらずに贈られた方のニーズに見合うギフト券を好む人が年々増えています。
女性への贈り物で人気があるのはサロンやスパのギフト券です。クリスマス用にデザインされたカラフルなギフト券のサンプルが9月中ごろから店頭に並び始めて、11月に入る頃には販売のピークを迎えます。
最近はこのギフト券と基礎化粧品やロゴ入りのスパタオルやガウンがセットになったバスケットも目にします。マッサージやフェイシャル、ヘアカット等のサービスを対象にしたギフト券には2種類あり、チップ(心付け)を含めてあるものとそうでないものがあります。
欧米では自分が受けたサービスに対し金額の約15-20%のチップを、直接サービスを提供してくれる技術者に支払う習慣があります。例えば両親などにプレゼントするギフト券などは、事前にチップを含んだものにする場合が多いのです。
日本の方に米国と日本のサロンやスパメニューの料金を比べると米国の方が安く設定されていると大抵の場合感じますが、実際はチップを足すと日本の料金より割高になるケースが殆どです。技術者がチップから得る収入は基本的に自己申告です。大型経営のサロンで働くと給料は月額で支払われますが、チップはクレジットカードを使用して合計金額として支払われても、その日のうちに各技術者へ店側が現金にして渡します。通常の場合はお客様から直接個人に現金で手渡します。従って時給や月額の給料設定が低くても回転率の早い店で働く技術者は、申告される以上の収入を得る事になります。
米国で一般統計的に出される美容関連のサービス業者の収入は、チップで得た金額は計上されていないので、他の職種と比べればけして高い所得率ではありません。
例えばカリフォルニア州の基本的時給は1時間に付き$7.50(約800円)で、日給は$60(約6千4百円)程です。税金など差し引かれた後に受け取る給料は日本円にして10万円強です。もちろん長く働く事や評価で時給は上がりますし、大抵3ヶ月を過ぎると各サービスに対するコミッションを得る事は出来ますが、中堅の技術者が受け取る給料は日本円にして税引きで月額20万強程です。技術者たちはこの給料の半分またはそれ以上のチップを月額で現金収入として稼ぐのです。
しかしあくまでも心付けとしてのチップなのでサービスが気に入らなければ余分に払う必要もありませんし、そのパーセンテージは景気にも左右されますのでけっして安定した収入ではありません。
最近のサブプライムローンの焦げ付きや株の急落が一般の景気に影響してこないことを祈りつつ、今年も無事にクリスマスまで過せますようにと、まだまだ夏の暑さが残る9月のラスベガスの空の下から天に願う今日この頃です。
五十嵐ゆう子 米国カリファルニア州とネバダ州公認の
エステティシャンライセンスを所持。クリニカルエステティ
シャン(医療エステ)としての経験を積んだ後、現在は両州
で抗酸化に優れた自然成分を主体としたホリステックスキン
ケアを実践。yukoi@earthlink.net

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