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効果の出る 「健康旅」を目指して〈インタビュー〉

神奈川県立保健福祉大学大学院・准教授/プライマリー栄養ケア研究室   佐野 喜子氏

健康増進や医療費削減はもちろん観光分野への経済効果も期待される宿泊型保健指導。27年度に実施された「宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)」試行事業の1年後の分析評価が完了した。研究に携わった神奈川県立保健福祉大学の佐野喜子氏にその成果を聞いた。

「宿泊型新保健指導プログラム試行事業」を終えて

27 年度の「試行事業」には、山形県上山市、新潟県妙高市、大分県竹田市、熊本県菊池市などの7 自治体と、健康保険組合など16 団体のプランが採択され、実施されました。全体の参加者は男性570 人、女性245 人で平均年齢は53.9±10.5 歳。プログラムの多くは1 泊2日と2 泊3 日で、指導後も、3 ヶ月、6 ヶ月後とフォローを続けました。翌28 年度の健診でも改善効果は確実に出ていて、体重や腹囲はもちろん血圧、血糖値においても改善された状態で維持されています。宿泊指導前のデータとの比較でも、現在の方が良くなっていると確認されています。健康状態の「見える化」は、生活習慣の改善の動機付けとして、一番効果があります。加えて、保健指導において個別の対面型より、今回のようなグループワーク自体に成果の要因が見いだせました。特に男性には競い合いが有効です。宿泊期間中に、気づきがあり、自分ことができたのです。
次年度への事業継続は、観光資源を持っている自治体は地域の活性化事業としての期待もありますから、当然継続率も85%と高い結果となりました。健保も保養施設を持っている組織は取り組みに積極的です。

 

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