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THE FUTURE OF SPA & SALON INDUSTRY

エステティシャン五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2007 第11回
早いものでもう11月、今年も残すところあと2ヶ月となりました。
この時期になると米国のショッピング街では早くもクリスマスの飾りつけが始まります。我々サービス業も一年で最も忙しいシーズンに突入するのですが、懸念されているのは連日のニュースで懸念されるサブプライムローン問題によって引き起こされる消費への影響です。
店舗が仕入れている業務用スキンケアメーカーの営業スタッフ曰く、この10月の注文高は昨年に比べ3割減だそうです。サロン、スパの店舗サイドも売り上げの先行きが掴みにくい現在の情況から取りあえずはバックバーの供給を最低限に押さえ、様子をみて注文量を増やすという対策を取っているのが原因でしょう。
この10年間、土地の高騰で潤っていた西海岸やラスベガスでは住宅の建設に伴い大型ショッピングセンターがどんどん開発され、ラグジュアリーなサロンやスパが急速にオープンしました。今後景気を再び向上させるためへの何らかの対処策が行われない限り、我々美容業界にも厳しい冬がやって来ると予測されています。其の中で店舗が生き残っていく為には、より経験を積んだ技術者を雇い入れ、プロフェッショ
ナルでハイクオリティーのサービスを提供しクライアントの満足を得、リターンに結びつける事です。
経験年数最低3年以上とかかれた技術者募集広告を最近よく目にするようになりました。例えばエステシャンの募集ではアートメイク、マッサージ、マイクロダーマブレージョンやレーザー脱毛等のマルチ経験者を特に求めています。
一般的にサロンやスパで技術者を雇い入れる際にはRESUMEといわれる履歴書の提出と、各店舗で定められた個人情報などのフォームの書き入れと米国で就労可能な証明書(米国パスポート、永住権証明書グリーンカード等) そして各州ごとに認可されたライセンスの提出を求められます。
面談が行われた後、過去の雇い主や講師などに申請者の情報を得るための電話確認が行われ、必要に応じて犯罪歴やドラッグ使用歴などのスクリーンテストというものが行われ、それらをクリアーした人だけで2次審査でもある技術を実際に披露するHANDS-ON AUDITION(ハンズオンオーディション)が雇用責任者やスタッフが見ている前で行われます。これはRESUMEに記載されている各技術の確認と審査をするものです。最終的に雇い主からのオーデション結果が出されて、技術者は時給やコミッションなどの交渉に入り、その後に見事就職という形になります。
店側は雇い入れた後、即時で稼げる人を求め、一時期のサロン・スパの開店ラッシュ時と比べて、免許を取ったばかりの新人が働ける間口は狭くなってきています。それと平行するかのように、施術テクニックやアートメイク等のエクストラ技術を習得するためのスクールや講習会への応募率はアップし、講師が不足状態だと聞きます。各自が競って1つでも多くの免許を所得し、クライアントを確実に掴もうと動いています。
多くの店舗はどんどん新しいメニューを取り入れ、サロン形態からクライアントの要望により多く対応可能でバラエティ豊かなDAY SPAへと変化しつつあります。今後は業界にも今までとは異なる新しい流れがやってくるかも知れません。早速ですが私も、いざと言うときの大波に乗り遅れないようにと技術習得クラスに通い始めた今日この頃です。
迎えうる冬を、身を引き締めて乗り切りたいと思っています。
五十嵐ゆう子 米国カリファルニア州とネバダ州公認の
エステティシャンライセンスを所持。クリニカルエステティ
シャン(医療エステ)としての経験を積んだ後、現在は両州
で抗酸化に優れた自然成分を主体としたホリステックスキン
ケアを実践。yukoi@earthlink.net

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