エステティシャン 五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2007 第12回
以前この日記で、アメリカのエステ業界では美容整形、美容歯科、そして皮膚科やカイロプラクターの医師らとエステシャン、マッサージセラピスト達がコラボレーションすることによってレーザー脱毛、エンダモロジー、医療ケミカルピールやボトックス挿入等のメディカルレベル最新ケアが提供できるMED-SPAの流行について書きました。
最近はそのMED-SPAにホリステックな要素を取り入れたコロンハイドロセラピー(腸内洗浄)、催眠療法、レイキヒーリング、ヨガ、漢方や針治療の東洋医学的セラピーなどのメニューを加えたWELLNESS-SPA CENTERと名称を変えた総合美容センターの出現が西海岸やラスベガスで増えてきました。
医師のもとでクリニカルなテクニックを習得したメディカルエステシャンやメディカルマッサージセラピストを含むWELLNESS-SPAで施術するセラピスト達は“INDEPENDENT CONTRACTOR(独立契約者)”と呼ばれ、各分野の専門家達が月決で施設内の部屋をレントし、集客や宣伝も各自で行うという形態です。
時には宣伝の費用を協力して折半することで、大々的な広告を行っているところもあります。施設内部に内科医師や心理療法ドクターがオフィスを開き一般的なクリニカルケアと併合しデトックスや漢方について紹介したり、メディカルオフィスなどと隣接してWELLNESS-SPA CENTERをオープンすることが多いのも特徴です。
統合医療のコンセプトである西洋医学の代替的補足や治癒力の向上のためにホリスティカルなトリートメントを取り入れることは、西洋医学者だけに留まらず、一般のアメリカ人に広く理解されるようになりました。
大型健康食品マーケットのWHOLE FOODSやWILD OATS には内部にマッサージーコーナーを設け、毎月のイベントスケジュールではオーガニックスキンケアについて学ぶコーナーもあります。一般掲示板にはスパやWELLNESS CENTERの案内広告が貼られ、フリーのトータルヘルス雑誌が置かれています。アスレチックジム内にはヘルシージュースバーやカフェ、ナチュラルプロダクト使用のデイスパを完備。多くの人が”HEALTH CONSCIOUS(健康意識)”と言う事を常に口にします。
健康的な肉体と精神のバランスが生み出す総合的な美しさ、すなわちトータルビューティというコンセプトが近い将来にはもっと当たり前に全米のみならず世界中に浸透していくことになるでしょう。
さて、2007年1月から再開した私の日記もあっという間に12月号になりました。米国で働くエステシャンとしての目を通し、見たり、体験したり、感じたりした事を綴ってまいりました。紙面上では出来る限りライブで皆様に伝わるように、あえて言葉を編集されずにそのままを記事にして載せて頂きました。私のつたない文章に1年間お付き合いして下さった皆様に心から感謝いたします。
2008年は素晴らしい年になりますことをアメリカの空から祈っております。
五十嵐ゆう子 米国カリファルニア州とネバダ州公認の
エステティシャンライセンスを所持。クリニカルエステティ
シャン(医療エステ)としての経験を積んだ後、現在は両州
で抗酸化に優れた自然成分を主体としたホリステックスキン
ケアを実践。yukoi@earthlink.net