「健康と温泉フォーラム2017in倉吉市」(同実行委員会)が、10月19日20日、鳥取県倉吉市の関金温泉で開催された。同フォーラム開催地である関金温泉は開湯1300年。記念事業のテーマは『源泉回帰』だ。倉吉市長石田耕太郎氏は「温泉を核として地域を見直していくきっかけにしていきたい。自然、歴史、食などの資源にさらに磨きをかけて魅力を高めていく」という開催宣言でスタート。記念講演では野中ともよ氏(NPOガイア・イニシアティブ)が「いのちへの回帰」について講演。「ひとの生き方、社会の在り方が、大きく変わろうとしている」とし、「今こそ、温泉の存在や、温泉関係者の活動が重要」と訴えた。
第1部「日本温泉首長サミット会議」では、鳥取県倉吉市 長石田耕太郎氏、新潟県阿賀野市長 田中清善氏、熊本県菊池市長 江頭実氏、北海道豊富町長 工藤栄光氏、山梨県北杜市副市長 菊原忍氏が登壇。各地域の温泉地の魅力や現状の取り組みを紹介した。また、同日、参加首長や後援団体代表参加で行われた「温泉イニシアティブ日本会議(仮称)のキックオフ会議」で、環境省温泉地保護利用推進室長 山本麻衣氏が、温泉地の活性化に向けて「新・湯治」(※)プランの推進を呼びかけた。活動として「新・湯治の考え方の普及と賛同者の募集」、「新・湯治の効果(健康や医療費減)を全国で把握する事業の展開」等を掲げ、具体的なロードマップについては29年度中に示すとした。その提言に参加首長も賛同。同じ志を持つ全国の温泉地や国、関連学会、団体と連携し自然と調和する豊かで活力ある温泉地づくりを推進する旨を「日本温泉首長サミット会議倉吉市宣言」として発表した。正に全国の温泉地連携へのキックオフの場となった。
※「新・湯治」とは・・温泉地訪問者が、入浴に加え周辺の自然、歴史、文化、食などを活かした多様なプログラムを楽しみ地域の人とふれあい、心身ともに元気になること」と定義。本来の「湯治」という言葉は特定の病気治癒のための入浴プログラムという意味合いが大きく、今回の「新・湯治」では楽しむこと、リフレッシュすることに主眼を置いている。