特集

【特集①-1】ネイル

年齢・性別を超えて広がるネイル

 日本のネイル産業は、ここ4~5年で急拡大した。ネイルサロンも全国で約8,000軒に達するといわれる。商材の進歩で高い客単価を確保しつつ、わずかなスペースで高収益が望めるサービスとして様々な施設に導入されはじめた。ネイルは若い女性がするものという従来のイメージから、中高年女性、男性、子供にまでターゲットを広げている。


当面の目標はアメリカ市場
 ネイルの本場アメリカでは、市場規模が約1兆円、サロン件数は60000軒を超えるとされる。ネイルは多くの人の日常生活に浸透しており、美容室感覚で月に1~2回は行くという人も多い。客単価は約2000~3000円と安いので、爪の手入れはサロンで行うというのが常識になっている。
 一方、日本の市場規模は約1000億円。アメリカとは約10倍の開きがあり、まだまだ発展途上だという。アメリカでは男性のビジネスマンもネイルを行う。日本でも握手や名刺を渡す際に手を気にする男
性は増えてきており、政治家など一部ではネイルケアを行っている人もいる。
 女性誌でのネイルの露出は増えており、裾野は広がっているとしながらも、さらなる市場の拡大には、男性や子供の獲得が鍵という声もある。
 国内の客単価は、ここ数年上昇傾向にあり5000~7000円と高額になってきている。高級サロンでは1万円を超えるところも珍しくない。
 客単価があがった背景にはジェルネイルの流行があるとされている。
 ジェルネイルはジェル状の溶液をUV(紫外線)ランプで硬化させる付け爪。10年以上前から発売はしていたが、アクリル素材を使用するスカルプと同様に、落とす際には削る必要があった。そのため相当の技術が求められていたが、約4年前に登場した「カルジェル」が市場の勢力図を変えた。
 ㈱モガブルックが展開しているカルジェルは、溶剤で落とすことができる「ソークオフタイプ」というジャンルを確立した。その後、タカラベルモントが「バイオスカルプチュア」を発売し人気に火が付いた。
 ソークオフジェルは自爪を傷つけることなく簡単に施術が行え、長持ちすることがヒットの要因。ジェルネイルの課題だったツヤや匂いの問題もクリアした。
 
 現在はソークオフジェルを扱っていないサロンは無いほど浸透しているという。これを受けて新規参入するメーカーも相次ぎ、現在は約15社が展開しているという。
 ネイルのコラボの可能性は
 ネイルサービスを行う店舗は単独の専門店だけでなく、パチンコ店、ディスカウントショップといった施設やショッピングモールなどの商業施設にも置かれるようになった。漫画喫茶のマンボーではジェルやスカルプは行わないが、基本のカラーリングやリペアなどは無料で提供している。
 
 新規でオープンする商業施設には必ずネイルサロンが欲しいという声も聞く。ネイルはそれだけ女性客獲得のためには魅力あるサービスになってきているといえる。
 一方で美容室やエステティックサロンとのコラボは簡単にはいかないとの指摘もある。過去にもうまくいかず撤退を余儀なくされた例も多い。
 これら大きな要因は、ネイルサービスの位置づけを誤っているケースが多いという。エステティックサロンや美容室はネイルを付帯サービスの一環として導入するケースが多い。
 また経営者、ネイルについては詳しいことを知らないため、教育や管理が難しい面も出てくる。
 技術を持つネイリストを雇えばすぐに成功するのではく、ネイルをサロンの新しい事業として位置づけることが重要だという。
 即座にネイルサービスをスタートする場合は、ネイルサロンにそのまま間貸しする形態は成功しやすい。また、FC店となりノウハウの提供を受けるもできる。後は、時間をかけて社員を教育しオリジナルのサービスとして展開する方法だ。
 ネイルサービスとのコラボ成功の秘訣は、“ネイルの導入がすぐに客単価を上げる”と考えないことだという。ある程度の期間をかけて、本業とネイルそれぞれの売り上げを確保し、そこから共存のメリットを出していく。共存のメリットが明確になれば、両方のスタッフが認め合い、協力する流れが生まれる。コラボ(協力)という言葉が示すように、成功には協力関係が不可欠だといえる。
 美容室やエステティックサロンがネイルを上手く採り入れられれば、レベルの高いトータルビューティを提供できる施設になることも難しくはない。
◆【女性の意識から見るネイル市場】
◆ 様々な業態に広がるネイル ◆
【ホテル】㈱プリンスホテル
【パチンコ】㈱はりまや
【まんが喫茶】㈱マンボー
【バラエティショップ】㈱パウクリエーション
◆ 日本ネイリスト協会とは ◆
◆ ネイル用語集 ◆

【注目商材・各社動向】




























































商品名 企業名
ネイルケア専用消毒剤『ネイルホスピタ』 日本アルコール産業㈱
ヴィーガン成分使用『スパリチュアル』 ㈱シンワコーポレーション
ジェルネイル『カルジェル』 ㈱モガ・ブルック
ジェルネイル『バイオジェル』 タカラベルモント㈱
ジェルネイル『アクセンツ』 滝川㈱
『キャン アイ オーガニック グロウジェル』 ㈱ビホー
『PA(ピーエー)』 ㈱ブルーアンドピンク
ネイルサロン『ネイルクイック』 ㈱ノンストレス
『ヤングネイルズ』 ㈱ヤングネイルズジャパン
ネイル専門ショップ ネイルパートナー
ネイルディーラー ネイルラボ
ソークオフタイプのジェル『NOBILITY』 ㈲LUNERS
『ダイアモンドネイル1carat』 ㈱ムーンシップ

                                         etc.……





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