インナービューティ市場は引き続き乳酸菌、発酵食品、青汁関係が好調。女性の体調不良に対して、根本的に見直していこうと、栄養・運動重視の延長で「腸内環境」への関心が高まってきた背景がある。一方で、化粧品大手がトクホや機能性表示食品を発売したことから、セラミドなど次世代の美容成分を配合した、機能重視のサプリメントやドリンクの上市が始まった。インナービューティ市場が再び脚光を浴びようとしている。
「美容成分」配合から「腸内環境」改善へ
オーガニックコスメや自然食品の店舗オーガニックマーケットを展開する佐藤久美子氏は、「お客様の考えや行動において“健康” と“キレイ” がごく自然に結びついてきているように感じる」と話す。いまや、インナービューティは当たり前の美容習慣となってきたのか。
1998 年ファンケルが美肌ケアのサプリメント「ホワイトプログラム」を発売。このことをきっかけに「内外美容」の言葉が市場に登場し、コラーゲン、ヒアルロン酸を主軸とした美容サプリメント、美容ドリンクが急激に拡大していった。2000年に入るとメーカー各社は5000mg だ、10,000mg だ、とコラーゲン含有量を競い、美容成分の数を競うようになった。経口摂取のコラーゲンの肌効果の議論も盛んに行われた。
長くコラーゲン市場を牽引しているアミコラ(アミノコラーゲン)(明治)は、2002 年にスタートした。その後、パウダータイプに加え、ゼリータイプ、ドリンク、瓶入りドリンクタイプ、08 年には「アミノコラーゲンプレミアム」を発売。この流れのように、多くの美容サプリやドリンクが登場するようになる。そして2010 年に資生堂が「IN& ON(インアンドオン)」でゼリータブレットとドリンクを発売したことが、内外美容ブームを一層後押しした。その後、アミコラが13 年にビフィズス菌を増やす「プロフィック」を、15 年ヨーグルトタイプを発売するなど、各社が乳酸菌やビフィズス菌に目を付け始めた。市場で「腸内環境」が大きくクローズアップされてきた頃だ。そして16 年アミコラは「濃密美容配合」を謳う。美容成分の組合せに着目する正に市場ニーズを反映した製品を発売した。
根本美容として「腸」「骨」「筋肉」へ関心が高まる
いまコンビニエンスストアのローソンでは、適正な糖質の摂取を提案するロカボ商品を販売し、話題となっている。同じくセブンイレブンでも、バランス良く糖質を摂取できる惣菜のラインアップが充実。すき家や吉野家といった外食チェーンでもその流れは顕著に見られ、市場拡大へ期待が高まっている。
伊藤忠食品の枝川和佳子氏は、2018年は健康志向が加速するとして、ナチュラル志向がより強まりオーガニック&ナチュラルの売り場が拡大するとみる。また、増加するフィットネスやジムに通うトレーニング女性やシニアが選ぶ良質なたんぱく質の食品がブレイクするとしてアスレチックフードに着目している。ここ数年の糖質制限へのブームから糖質やたんぱく質への理解が深まったことは大きい。今年9 月に開催されるアンチエイジング ジャパンでは、「“糖”(糖化対策と糖質摂取)」「“骨” と“筋”」をテーマにした特別企画を発表した。
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