米国の機能性薬用化粧品事情
エステティシャン五十嵐ゆう子
★米国エステシャン日記2008 第6回★
私のエステシャン日記の中で何回か触れましたが、現在の米国スキンケア業界は、Cosmeceutical(機能性薬用化粧品) と呼ばれる、ビタミン(A,C.E.F.K.)、CoQ10, 酵素、オキシ酸、カイネチン,麹酸、グリーンティなどの栄養素やハーブなどを配合した化粧品が、非常に大きな伸びを見せています。
2009年には、四千五百億円以上の市場売り上げが予想されています。ダイエットとヘルスの深いつながりについて、消費者の認識が増していく中、その延長線上に見た目の健康、すなわち若く美しい健康な肌が求められ、それは体内部への働きかけによって得るものだとの観点に人々は辿り着くのです。
ハイパフォーマンスの機能性薬用化粧品は、ただ肌に塗るだけで内部に浸透し、コスメティク整形を受けなくても、それにより近づく結果を得る事が可能になるという宣伝文句と、安全性が高く評価され、売れ行きは今後さらに促進し、化粧品業界、エステティク業界を大きく変えていくであろうと、専門家たちの間でも言われています。
多くの化粧品製造メーカーは、医師や研究博士の協力を得、化学的にも裏づけされた、クリニカルテスティモニアル(臨床的証言)をより多く集め、機能性を明確に計ることの出来る、新しい機能性薬用化粧品をどんどん開発していき、ナノテクノロジーとよばれる、分子レベルで表皮から肌内部へ、栄養素を運ぶ事の出来る製品への改良にも力を注いでいます。
実は私も最近、17種の効力のある純粋アミノ酸を含んだ、機能性薬用化粧品にはまっています。アミノ酸はたんぱく質の構成要素であり、たんぱく質は若返りに必要なコラーゲンを構成する要素とあって。この商品はプロが買い求める商材店でも、かなりの売り上げをみせており“私達は時間の流れを恐れますが、時間の流れはこの製品を逆に恐れます”というアンチエイジングのキャッチコピーに引かれ、ラインを揃えて使ってみることにしました。
凄いなと思ったのは、殆ど全ての商品を肌に塗ると、最初は少しベタツキ感があるのですが、少しマッサージすると肌の表面は何もぬっていないかのようにさらさらになります。即効性の速さも感じます。さすが機能性、浸透力抜群だな!と関心して以来使い続けています。
ところで本日、地元のニュートリションセンターへ立ち寄りましたら、米国のサプリ業者老舗のSOLGAR社が、3月に行われたナチュラルフードの大型展示会“ナチュラルプロダクトエキスポ”で発表していた、粘膜組織の一部を採取し、遺伝子の情報をラボ調査し、ゲノミックスと呼ばれる各自の遺伝子情報(ゲノム) を網羅し研究して、その知識のもと、個人にあったサプリメントと処方するという新しいプログラムを見ました。
そのプログラムが、一週間前から一般に受けられるようになったのです。展示会で、このプログラムを初めて見たときから、凄い!と思っていましたが、それが身近になった事に興奮しました。これで自分に本当に作用するサプリメントが見つかり、様々な病気から身を守れる日が実現されるのだと思いました。真に機能的なプログラムなのです。
私のフォーキャスト(予想)ですが、いずれ近い将来、きっとコスメの世界にもこの方法は取り入れられるでしょう。自分にあった化粧品を塗るだけで、若返る?そうなると我々エステシャン業界は、どのように変化していくのでしょうか?心の準備が必要ですね。