㈱ラ・パルレ(東京都新宿区)は6月20日、「たかの友梨ビューティクリニック」代表の高野友梨氏に新株を発行し、第三者割当増資を行うと発表した。
同社では高野氏に1株あたり14,690円で14万株割り当て、20億5660万円を調達する。これにより高野氏は、同社株式の39.02%を保有する筆頭株主になる予定。
同社は3月に東京都から3ヶ月間の営業停止処分を受けた。この処分によって世評が悪化し、大手信販会社などのクレジット利用が制限されるなど、顧客契約金額が低下したことで売り上げが伸び悩んだという。
対応策として社内コンプライアンスの強化とともに、4月1日からは月額定額制エステなどの新システムを導入し、経営体質の強化を図ってきた。しかし、税務基盤が弱体化し、20年3月期決算の監査は意見不表明となり、5月には継続企業の前提に関する疑義(経営破綻するリスク)が生じたと発表していた。
今回の割当増資はこのような危機的状況に高野氏が助け舟を出した格好だ。
同社では、割当先に高野氏を選定した理由について「業界唯一の上場企業である同社の業績悪化によって、エステティック業界全体の地盤沈下を防ぎたいという高野氏の意向と、美容家としてのプロデュース力に期待して迅速な業績回復を図りたい同社の考えが合致したため」としている。
調達した20億円の使途については、借入金の返済や店舗閉鎖に関わる費用として13億円を、その他に自社割賦制度の資金などに充てるという。