行政・業界動向

住環境、腸脳相関、睡眠など、最新のアンチエイジング研究続々、市場は今後も拡大傾向

第18 回日本抗加齢医学会総会が5月25 日~ 27 日に大阪国際会議場で開催された。参加者数は6,037 名と毎年増加傾向にあり、アンチエイジングに関する注目の高さがうかがえた。
同会の会長である近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授・近畿大学アンチエイジングセンター副センター長の山田秀和氏は今回の総会に際し、「抗加齢医学では、運動・食事・精神にわたって、包括的なテーマに興味が持たれているが、生体はすべての外部環境との関係で成り立っているということにスポットを向けると、住環境なども重要であり、そうしたセッションも用意した」と述べていた。実際に「光環境とエイジング」をテーマに行われたシンポジウムでは、日光やブルーライトなどが健康に及ぼす影響やその対策についての研究が発表された。さらにミトコンドリアを中心とするエネルギー問題、睡眠や脳機能とそれに伴う腸への影響(腸脳相関)に代表される臓器連関など、アンチエイジングを軸にこれまでにない幅広い領域について横断的な研究成果が
発表された。また、「見た目」からのアプローチに関する発表では、実際に行われている美容治療・アンチエイジング治療の安全性や有効性や、それに伴うトラブルにおける対策などについても発表が行われた。
富士経済発表の2017 年度のアンチエイジング市場規模(スキンケア・ベースメイク・ボディケア・ヘアケア)は7,080億円。高齢人口の増加を背景に、エイジングケアを訴求したブランドや商品の上梓が相次ぎ、拡大を続けているという。
中でも昨年はシワ改善効果を持つ医薬部外品成分として初めて認められたニールワン配合の「リンクルショット メディカルセラム」(ポーラ)、純レチノール配合「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS」(資生堂)が大きく市場をけん引した。一方、ヘアケア市場においては、男性だけでなく、女性の日常的なスカルプケアの習慣が定着しつつあり、あわせて高齢化や働く女性の増加による女性向け製品のニーズが伸びている。さらに業務用のヘッドスパやスカルプケアメニューの普及なども市場拡大を後押ししているようだ。

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