株式会社クレドインターナショナル 代表取締役社長 白井 浩一氏
スパ運営の㈱クレドインターナショナルは、インルームスパ展開で、国内約1,500のホテルと提携する一方、現在、国内外のホテルで約50店舗のスパを展開している。日本のスパのチャンスについて聞いた。
現在のスパの取り組みについて?
参入した2010 年頃は、リーマンショックの後で業界も冷え込んでいて、客室で施術をするインルームスパという形のサービスで入っていくのが唯一の方法でした。ホテルの客室で、従来のマッサージではなくスパトリートメントを受けたい方がいる
はずと考えての取り組みでした、数年で、主要都市の400 カ所に契約ホテルができてセラピストは400 名に。その頃から、ホテルスパ運営のお声がかかるようになり、プールとジムを含めての運営、エステティックと風呂とサウナを一緒にした運営、カジュアルなリラクゼーション型など様々な形態のスパ運営に挑戦してノウハウを蓄積してきました。
3 年前、和のスパブランドとして「庵スパ」を開発しました。それで「ジャパン」と、カジュアルな「アジアン」、「ヨーロピアン」「ハワイアン」と4 つのカテゴリーに分けて、それぞれのホテルのタイプに応じて展開できるようにしました。
現在インルームスパとしては、国内30都市で約1,500 のホテルと契約しています。ホテルスパは国内32 店舗で、今後3 年で50 店舗を達成する予定です。海外では、現在「庵スパ」で、韓国、台湾、バンクーバー、ニューヨークで各1 店舗。今年は上海、バンコク、スリランカ、ベトナム(ハノイ)で1 店舗ずつオープンします。こちらも3 年で50 店舗にして、最終目標は100 店舗と豪華客船分野のシェア獲得を目指しています。
「健康経営」ではどんなことを?
スパ以外の事業の柱にしようと考え準備を進めています。まず海外に居る日本人駐在員に対して、日本のリラクゼーションサービスを提供する仕組み。リゾート地で、日本人が多く住んでいる地域をターゲットにして既にスタートしています。希望者と技術者をアプリでマッチングしていきます。海外で実績をつくり、いずれ日本でも広げていこうと考えています。
もう一つは、国内企業の健康経営。企業向けに、福利厚生としてのリラクゼーションサービスを強化しようと。セラピストとかマッサージ師、鍼灸師、メンタルの心理療法士といった専門家とストレスチェックをパッケージにして企業に案内します。8 月から本格的に始動します。
2020年のその後の観光にどんなイメージを?
ウェルネス、スパ業界のターゲットは富裕層です。観光客数が増えることより富裕層のリピーターが来る率に注目すべきです。どれだけ消費するか。訪日外国人客数は4 年前の1,000 万人から今は3倍に。しかし、スパの売上は3倍にはなっていない。外国人が増えれば業界が潤う業種ではないことは確かです。これからは、都市部より、滞在中に自由な時間の多いリゾートの方にチャンスがあるように思います。海外展開の後は、日本の秘境や地方をターゲットに考えています。
日本の強みは?
日本の強みはやはり「製品力」「マネジメント力」「勤勉さ」。そしてモラルに反することをしない「信頼」がある。これは日本の製造業の先人達のおかげです。私たちは、技術者は現地の人を使い、あくまでマネジメントを伝えます。五つ星ホテルのための信頼できるスパオペレーター企業としての姿です。日本人の「マネジメント力」や「勤勉性」を柱にして展開すれば十分世界も狙えると考えています。