アンチエイジングは、毎日自分と向き合い「今をキープ」すること
柳瀬氏は、20歳からヨガを始め自らの経験の中から安全で効果のあるヨガを構築し、91年から「柳瀬式ウェルネスヨガ」提唱している。現在は東京・麻布十番のスタジオ「AYUR SPACE 楽」で、ヨガのレッスンやアーユルヴェーダの施術を行っている。
「ヤセYOGA」,「モテYOGA」など時代にマッチした切り口のシンプルで取り組みやすいヨガを提案。女性誌上や、執筆や各地でのセミナーなどでも活躍、その分かりやすい指導と効果で、女優やタレント、格闘家の間にも柳瀬ファンは多い。
柳瀬式ヨガは、「シンプル、安全、効果」
ヨガは、ひと頃のブームが落ちついて、今は本当にやりたい人が続けている状況です。日頃は麻布十番のスタジオでヨガのレッスンとアーユルヴェーダの施術、三重県の四日市では月2回インストラクターを目指す人向けに集中講座を行っています。
クラスレッスンには一週間に1回は心や体をリセットしようとする人、個人レッスンは肩こり、腰痛、不
妊、鬱だとかの悩みを抱えてくる方です。20代後半から40代の女性が大半です。柳瀬式ヨガで良く使うものは80ポーズ位ですが、各派の様々なヨガポーズの中から私流にアレンジしたものや、新たに作り上げたものばかりです。 これをその人の体調によって組み合わせていきます。
特に女性性を大切にし、生理、妊娠、更年期に取り組んでいます。例えば、更年期の場合は、生殖器系周辺が冷え易いので骨盤内を温めるような、腰から足を伸ばす「サギ」、骨盤周りを緩める「開脚」、骨盤を閉じる「赤ちゃん」などのポーズ。更年期になると、中には鬱になるかハイテンションになって当り散らして本人は気が付かないという人も見受けられるので、外側から自身を見つめる機会を作るために瞑想的なことにも慣れるために呼吸法などを組み込みます。
最近は、からだの歪みを持っている方はとても多いですね。仕事でパソコンを使うようになって、肩を前に突き出しパソコンの幅に合わせようと屈むような姿勢になって、ずっと座っているので骨盤が開いた状態になっています。
このゆがみが原因で女性だと生理不順になることもあります。上半身の不調には、肩甲骨を絞り大胸筋を広げる「ムドラー」、脇腹を伸ばす「釣り針」のポーズなど。一日の終わりの基本のヨガとしては、「鋤」、「魚」のポーズで背骨の配列を整え首の凝りもほぐし質の良い睡眠に誘導します。
仕事の途中に5分でも出来るヨガも指導しています。5年前から提案してきた表情筋をよく動かしてタルミや目鼻立ちをはっきりさせる顔のためのエクササイズ「顔ヨガ」は、顔を変えることで気分を変えること
が出来ると好評です。
柳瀬式ヨガの特長は、まず誰にでも出来るようにシンプルにしたことと、安全で効果がでることを第一に考え、あとは、自分の体験や生徒に教える中で構築していきました。この方向でやって行けば誰もが結果が出るということが、やりながら少しずつ分かってきたのです。
「自分のあやし方」をわかって「今をキープ」
ヨガを続けてきて、やはり五感は鋭くなり、自分のからだのことをなんとなくイメージ出来るようにもなりました。今日は休んだ方がいい、これを食べた方がいいとか、今日は止めておいた方がいいといった風に自分の「あやし方」が分かってきます。
こうした自分の体の声を聞いて、その声に従っていくことこそがアンチエイジングに繋がっているのだと思います。ある日ハタと気が付いて、急に、何かを始めるとか、食べるとか食べないとかではなくて、一日一日自分の体と心と向き合っていくことが大事です。
そして時間が経過したとき初めてアンチエイジングになっていたと実感するのではないでしょうか。
私のアンチエイジングのテーマは「今をキープ」です。今より老けない、太らない、今以上に悪くならない。今をキープできれば、5年後10年後は実年齢よりきっと若く見えるはずです。妊娠、出産も、ヨガをやりながらじっくり体験しました。
更年期も跳ね返す元気を求めるのではなく更年期ってこういう風になり、世の中がこう見えるんだ、ということを知りたいと考えてきました。そして、何かで挫折し落ち込んでも、とりあえず瞑想でニュートラルにして、また新たな視点で取り組むという建て直しを始終繰り返してきました。
より良い日常生活のためにコンディションを整えるのは大事です。でも、今は何でも健康志向ですが、健康は、あくまで手段であって健康でいて何をするのかを大事に考えて欲しいですね。
今後は、「柳瀬式ヨガ」をもっと広めて、インストラクターが働きやすいようにしていきたいことと、今年で11年になるアーユルヴェーダの施術も含め、病院や医師と連携しリハビリ、心のケア、老人の体のために活動したいと考えています。