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美容室を、トータルヘルスケアの場へ

サロンコンサルタント/㈲ワイルドビッグ代表
小笠原知恵氏

 
 大手美容サロンの美容師、商品企画を経てサロンのコンサルとして独立。ヒット商品のジェルネイルの日本上陸にも一役買った。美容サロンに軸足を置いたトータルビューティ施設のビジネスモデルを構築し、現在、美容サロンの売上拡大と人材教育活動などで活躍する。
 全売上の3割をヘッドスパ、ネイル、フェイシャル、ボディ施術などの付加サービスで構成。その手法は、美容サロンの新ビジネスモデルとして注目を集めている。高齢化社会の下、美容室の可能性を追求し、今後は、予防領域に挑戦したいと話す。


最先端の美容ツールを
アレンジ、大衆化、一般化する

 アーユルヴェーダを活用したカウンセリングで、ヘッドスパ、ネイル、フェイシャル、ボディトリートメントといったサービスへと誘導して、2ヶ月1回のヘアのお客様を2週間に1回来店してもらうのが狙いです。これらの付加メニューを美容室にとってのスパサービスと定義付け、美容室用に教育システムとメニューを構築しました。
 エステティックだと敷居が高いが日頃通う美容室の施術なら受けてみようという人が多いのです。私の仕事は、最先端の魅力のある美容ツールを大衆化、一般化することだと考えています。美容室は大衆を相手にする場所ですから、常に新しいアイテムを美容室に合った形にアレンジ(一般化)して導入していきます。アメリカでジェルネイルを見つけたときも美容室のお客様に何か新しいサービスを提供したいと
探していた時でした。
 単にアクリルの代用品ではなく、マニュキュアの代わりという使い方で日本の美容室に取り入れま
した。いま注目しているのは、ヌードジュエリーです。これは、素肌に金箔やプラチナ貼るサービスで、米国映画の日本でのオープニングパーティでも披露されました。2~3年後のヒットを目指して今から仕込みをはじめています。
美容室に軸足を置いたサービス付加を
 トップヘアスタイリスト達のいる店に、付加メニューを導入し売上30%を上乗せすることに成功しました。付加メニューで来店頻度を高め、客単価を上げていきます。地域一番店の美容師たちの言葉は、お客様に大きな影響力を持つため、付加サービスへの誘導に有効でした。
 売上拡大に成功しても、あくまでスタンスは美容室だから付加サービスでそれ以上は目指さず、店舗展開を勧めています。それ以上を求めると、美容室としてのバランスが崩れ、本業が上手くいかなくなるからです。この手法は、郊外店や都市型店舗で実践し、成功しています。
次の取組みは大衆サロンのトータル化
 現在、長野県佐久平に2ヶ月前オープンした80坪の大衆サロンに取り組んでいますが、これまでとは違い、「美容サロン+スパ」というコンセプトで取り組んでいます。
 この店舗はチラシで何%値引きという価格アプローチで地域のお客様を集めていた大衆サロンで、単価アップのためにスパサービスの導入を試みました。メニューにヘッドスパとネイル、ボディ、フェイシャルを導入し、現在、売上は9月500万円、10月600万と順調に推移しています。
 メニューはヘッドスパとボディ施術。美容師12人とスパのピストは3人。今後、同様の業態で福島、群馬と続けてオープンします。
からだの内面の健康で髪を美しくする
 高齢化社会は、年を取ると若くなろうとする、自分なりに美しくあろうとする社会ですから美容ニーズはますます高まっていきます。美容室の仕事は、常に伸び続ける髪を相手にしています。
 来店したその瞬間だけでなく、お客様の変化の過程を重要視します。美容サービス内容も時代のニーズで変わっていきます。最初はカットやセットから始まり、もっと美しくするためにカラー、パーマが加わ
り、健康できれいな髪のためにトリートメントが出てきました。
 そして数年前からは、髪が生える前からのケアとして頭皮のためのヘッドスパが登場したのです。
いま、からだの内面が健康であることで髪が美しくなれるという時代に入っています。だからこそ、美容室にスパが導入できると考えたのです。
 皆が健康であろう美しくあろうという社会に向けて、美容室を予防医療の場にできればと考えています。

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