東京下町の老舗サロンの改革
「HOSOYA」は、東京都の下町エリア葛飾区の商店街で3代続く理・美容サロン。63年もの間、地域の一番店として老若男女に親しまれてきた老舗店に変化の時が訪れた。
昨年末、2階部分の全面リニューアルを行いトータルビューティサロンとして大きく変身したのだ。11名の理・美容師がヘッドスパ、フェイシャルだけでなく、頭からつま先までのトータルビューティサービスの提供を目指して動き始めた。
現スタッフだけで挑戦することの意味
トータルビューティを目指す段階で、専門スタッフを入れるのでなく、あえて今いる理・美容師がトータルビューティの技術者となる道を選んだ。
オーナーの細谷氏は、「信頼を得ている馴染みの理美容師が、他のサービスも提供するほうが受け入れられやすい」と話す。「サロン市場は飽和状態でサロンも技術者もトータルビューティ化しなければ生き残れない時代」。
スタッフは、理容師7名、美容師4名全員が美容学校新卒で入社したプロパーばかり。「ここで一から育て、将来独り立ち出来るような人材にしたい」(細谷氏)と中途採用は採らず、昔ながらの徒弟制にこだわる。
スタッフ一人の売上で、ヘッドスパやフェイシャルなどの新サービスを三割まで引き上げることが当面の目標。物販の強化も視野に入れる。
昨年は、商材としてオリジナルのシャンプー・リンスをスタッフと企画開発し、年間600本を販売した。「思い入れのある商品だから自信を持って紹介できる」という。