三重県松阪市の山間部に位置する香肌峡は清流櫛田川の良質な水と、それを活かした米をはじめとした農産物の生産が盛んな地域でもあります。
ご紹介する( 有) 上野屋(三重県松阪市:佐々木幸太郎代表取締役社長)は、昭和33 年の創業以来、こんにゃくメーカーとして「品質第一主義」を貫き、たくさん作ることよりも丁寧に作ることを大切にしてきました。平成30 年には独自のでんぷん配合技術を活かして、地元産玄米の米粉を練り込んだグルテンフリー、低糖質、低カロリーのこんにゃく麺「香肌麺」を完成させ、地域産業資源活用事業として、経済産業省等から認定を受けています。
香肌麺は、国産こんにゃくに地元香肌峡玄米を練り込み、良質な水で仕上げることで、こんにゃく臭が驚くほど少なく、下茹で不要で水洗いだけですぐ食べられる簡便さとおいしさが特徴です。
米粉を練り込むことで一般的な麺類と遜色ないもっちり感や食べ応え感があり、ラーメンやそうめんのように温めても冷やしてもおいしく食べられます。しかも、100g あたりのカロリーは16kcal と一般的な麺類の1/10程度とヘルシーで食物繊維も豊富であり、美しさと健康を求める女性を中心に支持を得ています。
首都圏や地元のこだわりスーパー、道の駅、ネット販売を通じて販路を広げており、「五味商店こだわり展示会」や「スーパーマーケット・トレードショー」等の国内展示会にも出展し国内販路を広げています。また、「FOOD EXPO(香港)」等海外展示会にも出展し、香港市場での販売も実現しています。香肌麺をいっそうおいしく食べるための料理レシピの開発も行っており、自社ホームページでレシピを公開し、積極的な情報発信にも取り組んでいます。
(独)中小機構 中部本部 チーフアドバイザー
斉藤 友則
中小企業者や農林漁業者等が行う新事業創出支援を実施。中小企業診断士