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【連載】フランスの“SPA” 第一回  「ヘルス・ツーリズムとSPA」

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 美容と観光のエキスパ-ト、フランスでは、医療として信頼される温泉療法と、タラソテラピ-の洗練されたロハスなバケ-ションが相まり、“SPA”を中心とした「ヘルス・ツーリズム」を展開しています。この動向は、他の国々でも、健康保険の赤字や失業問題等の解決策として見られますが、今回はフランスの”SPA”を4回に亘りご紹介します。

 ヨーロッパの専門医によるセミナ-や関係者の話では、まず、“SPA”はラテン語の“Sanitas per Aquam”の略で、「水による健康法」であるとの説明から始まります。


 更に治癒力のある温泉や海水(タラソテラピ-)を使用した”ハイドロセラピ-“と、普通の水を使用した”バルネオセラピ-“に分かれますが、温泉療法もタラソテラピ-も、バルネオセラピ-も、水質の違いはあれ、施術行為はシャワ-やバスタブを使用したマッサ-ジやファンゴ・海藻・海水パック等でほぼ同じです。
 タラソテラピ-は、健康保険の赤字により、1998年頃に保険適用を外されましたが、その分、厳しい規制に縛られず、リゾ-トとして海辺の自然環境を活かしながら、利用者の要望にもすばやく対応して、健康と美容の場を提供し、フランスで多少憧れ感のある「ヘルス・リゾ-ト」へと発展しました。
 温泉療法は、12症状に健康保険が適用されますが、7割以上がリュウマチで、3週間の滞在が必要であったり、新薬の開発等で利用者が減少気味です。病気の老人向けのイメ-ジも払拭しきれません。そこで、フランスでもブ-ムの“スパ”として、一般の人へ「体調改善」コース等短期のプログラムを開発し、タラソテラピ-で行っているようにエステや自然化粧品も取り入れて利用者の増加を図っています。
 フランス第一位の湯治場Dax市では、遊歩道の整備、市営のファンゴ・パック工場を建て、市内の全温泉施設へ同質のパック剤を配布したり、温泉病院の協力の下、4つのアトリエ(栄養学、腰痛防止、記憶、心臓)を運営してSPAを中心に予防医学を進めています。
 二位のエックス・レ・バンには国立温泉療法施設が2軒あり、大きな流水の温泉プ-ルを中心に「テルマロテラピ-」という住民や観光客向けのスパを始めました。国立施設で開発した温泉を蒸気化した機器を、私営のスパで普通水を蒸気化して使用したりと、各地で独自のSPAプログラムを開発しています。次回はプログラム例をご紹介します。

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