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Make Lemonade out of Lemons (逆境を利用して好転を創造する)

アメリカには”Make lemonade out of lemon”という有名なことわざがあります。これはどんな逆境においても創意工夫すれば、その状況を好転できるという意味です。新型コロナウイルスの拡大によって世界中で多くの人々が窮地に追い込まれています。その中において自分たちがおかれている状況を打破し、事態を良い方向に変えたいという思いを行動に変えていく動きが米国内で徐々に高まっています。Walmartは”Neighbors Helping Neighbors”という新しいプログラムをスタートしました。

このプログラムは地域に住む高齢者や障碍をもつ社会的弱者の方々の為に、空いているご近所の誰かが代わってWalmartで買い物をして届けてあげるという仕組みで、地域住民の間で交流を広げる1つのツールとして利用されている”Nextdoor“(お隣さん)というアプリにWalmartがパートナーとして傘下しています。アプリ内のGroupという項目に”Shopping Help for Neighbors Walmart“(近隣Walmartでの買い物のお手伝い)を新しい項目として組みこみ、ボランティアの誰かが注文をとってその箇所をクリックすれば、近隣のWalmartアプリにも連動されて商品の広告や在庫が確認できるという仕組みです。

又、南カリフォルニアでレストランが密集するカルバー市では、地元のビジネスリーダーなどの有力者などから集めた寄付金(現在は1ケ月で約6万ドルの寄付が集められた)を活用して、ホームレスや食事が満足にできないなどの困っている人々にレストランの暖かい食事を無料で提供するプログラムを開始しました。このことでレストランは店舗を閉めることなく従業員や売り上げを維持できるという計画です。それに続いて4月24日からは、65歳以上で一人暮らしの所得が低い高齢者をサポートするプログラムがスタートしました。これは一日に三度の食事代で$66を上限とし、カリフォルニア州とレストランが連携して無料で届けます。この取り組みは全米初となり大変注目を集めています。

ロスアンゼルスでは食品スーパーなどの小売店に入場するためにマスクの着用を消費者にも義務付けており、マスクなしでは門前払いを受けます。一昨日の事ですが、買い物から自宅へ戻ると玄関のドアに小さな紙が貼ってあり、そこにはこう書かれておりました。

「ご近所様へ、すべての人にとって非常につらい時期ですが、私は今だからこそ、それぞれが手助けをするべきだと思います。もし、ご家族の誰かがマスクを必要としているのに、手に入れることが困難であれば私のもっている使い捨てマスクを無料でシェアいたしますので、電話かテキストメールをください どうぞ健康でいましょう!」

日本でも自粛生活の厳しさと共に、多くの高齢者や社会的弱者の方々がネットでの買い物に不便さや不安などの問題を抱え、時には無理をしてでも店舗へ買い物に行かれる事もあると聞いております。けれども今こそ出口戦略の一環として、一人一人が出来ることから行動を起こし、苦い経験から甘くておいしいレモネードを創り出すよいタイミングなのだと考えます。


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