消費者庁では、2018年1月より、消費者の行動を分析・研究することを目的とした「健康と生活に関する社会実験」を実施。チラシによる行動への介入を試みたところ、“歩数”や“運動時間”が増加する結果になったと10日に発表した。
同実験では健康に関する統計や糖尿病による死亡者数が全国的にみても多い徳島県をフィールドに、“体重”、“歩数”、“運動時間”の行動変化について約2千名のデータを調査・分析した。
健康に関する意識についてのアンケート調査で、体重の減少を目標と回答した人を対象に、定期的に目標体重への到達率を掲載したチラシを配布。実験の実施期間全体の到達率を提示したもの、期間を7分割にして2か月の到達率を提示したもの、さらにグループ内での相対順位を記載したものなど、4種類のチラシによる行動への介入を行った。
結果としてチラシの介入効果が体重に及ぼす影響では、有意な差異が見られなかったが、歩数・運動時間では効果が見られ、特に歩数については5~10%の有意な増加が見られた。今回の実験では、「体重の変動」のように複合的な行動が必要なものについては変容させることは難しいが、歩数を増やすなどの行動変容は意識的に行うことが可能だということが分かったと報告している。