(株)富士経済が今月3日に発表したメイクアップ、ボディケアの国内市場調査によると、メイクアップ市場は2020年の市場規模は5,374億円(見込)で2019年度比11.8%減、ボディケア市場は2,017億円で同6.8%減と予測している。新型コロナウイルス感染症拡大による百貨店の休業や外出機会の減少が需要減少につながり、市場も大幅に縮小するとみている。
2019年度のメイクアップ市場は、SNSや動画サイトを通じたメイクアップ方法のレクチャーなどが定番化し、さらに消費者の嗜好の多様化やTPOに応じた使い分けによる使用アイテム数の増加などから前年比101.4%と微増だった。だが今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、外出機会の減少とともにマスク着用者の増加や入国制限によるインバウンド需要が大幅に減少。さらに、店舗では休業に加えて、メイクカウンターでのタッチアップの自粛やテスターの撤去などが行われたことから需要の喚起に苦戦しているという。
一方でマスクから露出する目元のメイクに力を入れる消費者の増加や、マスクへ付着しにくく落ちにくいリップ商品、マスクの着用による肌荒れから敏感肌向け商品が人気になるなど、消費者の選択基準にも変化が出てきているようだ。