新型コロナウイルス感染拡大の長期化が小売りやサービス産業には多大な影響を与えている中、New Normal(新しい常識)という我々の意識や行動に対して、今までの常識から変化した常識が米国でも生まれています。小売業やサービス産業、そしてビューティ&ヘルス業界にも幾つかの新しい動きが生まれていますが、今回はその内の1つとされる新しい動きSupport BIPOC-Owned Business (BIPOCオーナーのビジネスをサポートしよう)について紹介したいと思います。BIPOCとは Black, indigenous and people of color(黒人、先住民や有色人種) を省略した言葉で、その略語にOwned(オーナーとなる)をつけて、彼らの生活向上のためにBIPOCが所有するビジネスをサポートしましょうと言う意味です。
感染者と死者が世界でトップの米国では、重篤患者の7割強が黒人を含む有色人種であるとされており、彼らの多くが所得の低い地域に住んでいます。これは感染拡大のずっと前から、国からの金銭的なサポートや医療が充分に行きわたっていない事が要因にあり、その結果がパンデミックや災害に対する脆弱性に繋がったのだと指摘されています。このことがきっかけとなり、若い人を中心に意識が変わり始めました。それは今回の感染がいずれ終息するとしても、長年抱えてきた社会的格差を解決しなければ、再び同じような過ちを繰り返してしまうという懸念です。従って今こそ社会的格差について学び、BIPOCが所有するビジネスをサポートすることで感染症や災害に強くなろうという考えが産まれているのです。
サポートを始めたい賛同者の肩を押すべく、雑誌やオンラインニュースでは “How to Support BIPOC-owned Business” と言う特集記事を組んだり、小売やサービス業でもHPのメニューや店舗の棚にBIPOC-ownedというカテゴリーを設け始め、商品を探しやすくしています。Support BIPOC-owned Businessで最も大事なのはタイムリー(一時的)ではなく、タイムレス(ずっと続ける)に行う事だそうです。
米国の様な人種格差は日本にはありませんが、ビューティ&ヘルス業界でも新型コロナウイルス感染によって打撃を受けた中小ビジネスや、自然災害の被害を受けた地域へのサポートにあてはめていくことができれば良いのではと考えます。
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