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個々の存在を大切にした体質学が魅力

佐々木薫 氏
株式会社 生活の木 販売促進部ゼネラルマネージャー
 アーユルヴェーダは、生きるためのあらゆる法則を説く生命科学として誕生し、5000年もの昔から時を越えて現代に伝えられている。生活の木ではスリランカで10年前より直営ホテルを開業。そのスリランカでは、アーユルヴェーダに対して代替療法やトリートメントとして海外から注目を集めたことで、再評価が始まっている。個々の存在を尊重した体質学を基本とする点がアーユルヴェーダの魅力と語る佐々木氏に、その概念や美容面からの特徴などについても伺った。


■個々を尊重した体質学が魅力
 
 アーユルヴェーダの魅力はサンスクリット語でいうプラクリティ、つまり体質論を基に展開され、個々の存在を大事にしている点にあります。ドーシャには、空、風、火、水、地の5元素を組み合わせた「ヴァータ」(空・風)、「カパ」(水・地)、「ピッタ」(火・水)の3種類あり、組み合わせによりヴァータピッタ、ピッタヴァータなどに加え、3種類のドーシャが交じり合ったトリドーシャの10種類に分類されます。健康な状態は、3つのドーシャのその人なりのバランスがとれている状態で、さらに感覚と精神とスピリットが満たされている状態を指します。
 
 アーユルヴェーダは、現代物理学や哲学的な捉え方、精神性や仏教などの宗教的な概念までも内包する医学システムで、「生きるための法則」を学ぶための生命科学です。
 
 発祥は紀元前3000年にも溯り、人間界に病が発生した際、神がリシと呼ばれる52人の聖者を集め、治す手立てを授けたことが始まり。このリシたちがインドやスリランカから集まっていたことから各々の国で広まって行きました。かのブッダもアーユルヴェーダの治療を受けたそうです。理論的に体系立てられていることで、数千年の時を経てなお、現代人にも理解されやすいのでしょう。代替医療の比重が高まっているアメリカやドイツなど欧米で15~6年前より注目され、盛んに研究が行なわれています。
 
 アーユルヴェーダのマッサージは、オイルをたっぷり使うとてもハードな施術。またエステティックとは異なり、施術とサウナの順序が逆になっているのも独特です。まずオイルを用いた油剤法によりアーマ(毒素)を柔らかい状態にした後、スチームや土壁のサウナに入り発汗で毒素を排出します。
 
 また、サロンで導入しやすい施術としてヘッドマッサージやピンダ(ハーブボール)などが挙げられます。ヘッドマッサージは、神経系への効果が期待できアーユルヴェーダでも重要とされている施術。服を脱がずに15分ほどで施術が終わるため、美容院で導入する事例も増えてきています。   
 
 体験していただければ、アーユルヴェーダが単なるリラクゼーションではなく、歴史的な深い背景と英知をたたえた、ホリスティックなケアであることを理解していただけます。

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