昨年の12月から新型コロナウイルス感染のワクチンをスタートした米国では、2月中旬までに国民の10%強までの接種を済ませ、感染者の数も1週間以上に渡り全体的には減少傾向にあります。
その中である問題が浮上しました。それは数週間前に発表された人種別の接種統計で、白人の接種率が有色人種に比べて2-3倍高かった事です。一方で新型コロナウイルスへ罹患して死亡する率は白人よりも黒人やヒスパニックなどの有色人種が高く、人種間の差が健康の不平等まで生み出していると、多くのメディアで批判されました。要因としては有色人種が多く住む地域は低所得層であるケースが多く、接種をオンライン予約する上での情報やワクチンの安全性に対するの知識不足などがあげられています。これを受けてカリフォルニア州では感染者の多い地域を割り出し、接種した地域と人種別の統計を一般に公表し、平等に接種と感染対策が行き届くように動き始めました。
その中で少しでも問題解決に結びつくきっかけとなるプログラムがスタートしました。それはオンデマンドの配車サービスのUberが業界最大のドラッグストアチェーンのWalgreensと提携し、ワクチン接種の予約者を最寄りのWalgreensまで連れていく無料送迎サービスを始めた事です。人々が接種の予約をした際、希望があればUberの乗車を事前にスケジュールします。また接種に対して躊躇する人たちへの教育プログラムも同時に行うそうです。
Uber社は「交通手段の有無がヘルスケアの障壁になることを決して容認してはいけない。私たちはWalgreensと構築するこのエキサイティングな新しいパートナーシップをUberが持つプラットフォームの力を利用し、我々全員で協力し、より多くの人々をワクチン接種へと繋げ、一日も早くパンデミックを終了させる手助けを行う!」と語っています。車を持てない人々のみならず、高齢者や身体の不自由な方々にとっても送迎サービスは有効的であり、接種後に起こるかもしれない体調の乱れを気にしながら自分で運転することも無いのは非常に安心です。
日本でも今月から接種がスタートするようですが、企業の協力の元で同様なプログラムが出来ると更に接種の普及がスムーズに進むかもしれませんね。
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