【特集:化粧品原料】
化粧品原料は、消費者の普遍的なニーズである「美白」や「抗シワ」に対する機能性の研究がさらに進んでいる。
サプライヤー各社は、有効性を示す最新のデータを充実させ、効果的な処方の提案にも余念が無い。消費者が求める効果をどう実現するか。化粧品原料・素材の現状を取材した。
●保湿、美白、抗老化は根強いニーズ
化粧品原料は、「保湿」「美白」「抗シワ」に代表されるエイジングケアへのニーズが依然として高い。
「抗シワ」は、昨年8月に厚労省が化粧品の効能範囲にシワに関する項目を認める方針を出した。今年の2月から3月にかけて意見募集が行われ、遅くとも今年中(平成23年12月まで)に通知される見通しだ。これを受け、化粧品工業連合会では、抗シワ表現のガイドラインを出した。各社では抗シワ成分配合化粧品の開発や販促に備える。
「美白」は、日本やアジア圏で特にニーズが高い。美白とは、シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、すでに作られてしまったメラニンを減らす効果を指す。原料では、ビタミンC誘導体などが有名だが、最近では今までにあった素材よりも高い美白効果をもたらす原料も発表されている。
主に保湿目的で配合される、コラーゲン・ヒアルロン酸などの定番素材では、吸収率や安定性を高めた原料が登場している。
今年3月末、イタリア・ミラノで開かれた欧州の化粧品原料展「in-cosmetics Milan」の出展製品数を見ても、「保湿」「抗老化・抗シワ」が圧倒的に上位を占める。
●抗糖化、幹細胞など新たな理論も登場
●内外美容など次のヒット素材は
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化粧品の抗シワ効能 今年中に通知へ
厚生労働省医薬食品局審査管理課は3月「化粧品の効能の範囲を一部改正する(案)」について意見募集を行った。
具体的には、化粧品の効能の範囲として規定されてきた55種類に
(56)皮膚にうるおいを与え、乾燥によるシワを目立たなくする。
(57)紫外線(日やけ)によるシワを防ぐ。
のシワに関する2項目を追加する件について意見を募集した。それぞれ化粧水、日焼け止めなどでの表示が想定されている。
同課によると、否定的な意見もあったというが、「今年中に通知する見通しに変更は無い」という。これを受けて化粧品工業連合会でも自主基準事項(案)で表現の具体例を発表した。注意事項として、これらの表現の使用は、日本香粧品学会の「化粧品機能評価法ガイドライン」等に基づき試験を行い、効果を確認した製品のみに標榜できるとしている。