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ホームケア美容機器、500億円市場に

【特集:ホームケア美容機器】

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 家庭用の美容機器、いわゆるホームケア美容機器市場が活況を呈している。その中でも持ち運びができるタイプが人気で、日経トレンディでは2011 年のヒット予測に「モバ美(モバイルビューティ)」を挙げた。市場は単品で数万~数十万台という大ヒットを記録した商品が複数登場したことで500 億円超規模に急拡大。新商品の投入もいまだ活発で、今後も伸びしろが期待できる有望ジャンルだ。


●ヒット商品のジャンルは?
 ヒット商品が多数生まれたのは、ホームケアでも美容効果が体感できる機器が増え、満足感を与えられたことも大きい。美顔ローラーでは、昨年は累計100 万個のMTG の「ReFa(リファ)」などが牽引役となって市場が拡大。同200 万個のヤーマン「プラチナゲルマローラー」、出版社の宝島社が出した2,980 円の美顔ローラーも累計260 万個出荷されている。家電量販、バラエティ、通販、書店など販路も多岐にわたったことで、利用者の裾野が広がった。
 入り口として低価格機器を体験した層が、ステップアップとして高い機種を求める需要も出てきている。エステティックサロン向けでは、小型のエレクトロポレーション機器を各社が発売。この種の機器は、コラーゲン、ヒアルロン酸などを配合した専用化粧品を肌に浸透させる目的で使われる。
 昨年からは、携帯型のフェイシャルミストが登場。ヤーマン、素数などに加え、エステティックサロン大手のTBC もミストタイプの美顔器を市場に投入。MTG も水素とミストを組み合わせた新商品「グラレント」を発売した。
これらのミストは基本的に専用の化粧品を使う。浸透力を高め、実感を促すことで化粧品のリピート販売も期待されている。
●“ おうち美容” の高まりの背景
 消費者が家庭で美容ケアを行う傾向は数字にも表れている。㈱リクルートのビューティワールド総研が4 月末に発表した「美容センサス2011」では、F1(20~34 歳女性)層、F2(35~49 歳女性)層3600 人に美容行動の今後の予測を聞いた。
 「今後、自宅ケアとサロンケアではどちらが増えるか」という質問では、F1 層で「自宅ケアが今後増える」が「減る」を大きく上回った。特に差が大きかったのが、フェイシャル、ボディケアで、「減る」に比べて実に約4 倍の人が今後は「自宅ケアが増える」と回答した。
 一方でサロンへの来店頻度を見ると、エステティック、ネイル、アイビューティの各サロンへの来店は減るという人が多かった。逆にヘアサロンは今後も増えるという回答が多かった。
 サロンに行く理由を聞くと、「プロの技術・サービスを受けられる」がトップ。ヘアサロンは「自分では出来ない技術」を提供してもらえるというサロンケアの優位性が浸透しているといえる。逆にフェイシャルケアやボディケアといった、主にエステティックサロンの施術領域は、サロンの優位性が訴求できていないという、これらのサロン業
界にはショックな結果となった。
 ただ、現状に満足していなければ、そこに当然ビジネスチャンスも生まれてくる。自宅ケアの傾向は、一般的に、節約志向や巣ごもり消費が影響しているとされる。ただ、メーカーによると、持ち運びができるハンディタイプの機器に人気が集中している背景には、時間や場所を選ばずに美容ケアを行いたいという明確な消費者ニーズがあるという。
●市場拡大は今後も続く?
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