日本抗加齢医学会(理事長:水島裕氏、第6回総会会長:坪田一男氏)は、5月19日、20日の2日間、東京・ホテルニューオータニで、第6回日本抗加齢医学会総会を開催した。 「メディカルサイエンスとしての抗加齢医学」をテーマに、医学・薬学・栄養学・農学・工学・理学の広範囲な分野から演題の発表が行なわれ、医師やコメディカル(看護士、薬剤師など)の医療関係者が参加した。
特別講演では、老化を遅らせる働きのある“クロトーホルモン”についてアメリカ・テキサス大学の黒尾誠氏が「クロトー蛋白の機能と老化抑制」と題して講演。また、高齢社会の進展に伴う健康維持と関連が深いメタボリックシンドロームを演題とした講演も行なわれ、食品や食品因子の機能性、老化制御の基礎医学などについてのディスカッションや、美容医療に関するテーマも目立った。
美容の観点からのアンチエイジングでは、「見た目とアンチエイジング」と題して、北里大学の塩谷信幸氏と東大医学部形成外科の吉村浩太郎氏を座長にシンポジウムが行なわれた。
基調講演として演台に立った東大の吉村氏は、「東大医学部付属病院の形成外科・美容外科では、昨年外来で美容医療の患者が保険診療を上回った。特に50代60代の年齢層が増加傾向にある。美容医療は疾患ではなく、自発的な要求や注文に応える医療で、その在り方は医療の質や信頼と関わってくる。アメリカの美容医療の内訳は外科医療210万件1兆円、皮膚科医療930万件5000億円のうち、約6割がアンチエイジング目的。日本では保険医療外の自己負担分4.5兆円のうち美容医療が0.2兆円でまだまだ成長の余地がある。特に美容医療は、治療効果が目にみえることが最大のメリット」と解説。
機構では、今年6月下旬の第二回通常総会において承認後、メディアへの発信やWebサイト上に掲載するなど、広報活動を行なっていく。